Page 25:ノルウェーの盗作防止キャンペーンが秀逸だったので日本語にしてみた

【英語の授業で出された課題】

僕は今フィンランドのスウェーデン語圏であるオーランド諸島の大学で勉強しているので、普段の授業の言語はスウェーデン語なのですが、今とっている授業の中に1つだけ英語で教えられている授業があります。それはEngelskaという授業なのですが、Engelskaとは、スウェーデン語で「英語」という意味です。つまり、英語の授業です。なので当然授業は英語で行われるというわけ。

フィンランドやスウェーデンなど、北欧諸国では基本的に高卒以上の人はほぼ全員英語を大した不自由なく使いこなします。(中には「英語が苦手」という人もいますが、それでも英語でのコミュニケーションは普通にできるレベルです)
従って「英語の授業」といっても、これから英語を喋れるようになるための授業ではなく、既に喋れる人がスウェーデン語圏以外の場所、特に社内の公用語が英語である所で仕事を見つけるためにはどうしたらよいかを主なテーマとして取り扱います。

例えば、英語でのプレゼンの仕方、履歴書の書き方、インタビューの受け方などをこれまでにやってきたのですが、最近出てきた課題が「英語でレポートを書く」というものでした。

 

【盗作問題】

で、レポートを書く時について回るのが「盗作」の問題です。自分で考えた文章を書くのではなく、既に他の誰かが書いた文章をそのまま使うと。いわゆる「コピペ」ってやつですね。

先生は「盗作」の定義や、「盗作」にならないために気を付けるべき点を口頭で説明してくれたのですが、「あ、そうそう。盗作に関していうと、そういえばこんなビデオがあるんだよ」と言い、あるYouTubeの動画のリンクを紹介してくれました。

それがタイトルにも書かれている「ノルウェーの盗作防止キャンペーン」のビデオです。

基本的には内容としては、

・盗作がバレるとどんな目に遭うのか
・盗作にならないために気を付ける事とは

という至って普通な論点で進められているのですが、演出が凝ってるのですね。んで最後にしっかりオチもついていて、単なる「盗作防止キャンペーン」としてではなく、単純にストーリーとして見ても楽しめます。日本でもたまに面白いCMがありますがちょうどあんな感じですかね。

でもこれ、ノルウェーで作られたので音声は当然ノルウェー語。字幕は英語しかありません。というわけで、日本語にしてみました。

 

【「盗作防止キャンペーン」のビデオ】

 

【以下日本語訳】

教授:「この論文は29日までに提出してくれたまえ」

学生:「わかりました、すぐに取り掛かります」

(しかし遊び人たちに巻き込まれてしまう学生)

学生:「お、俺、やっぱり論文の執筆にとりかからなきゃ…!」

ガールフレンド:「でも締め切りはずぅ~っと先なんでしょぉ?♡」

(誘惑に負ける男子学生。そして気が付けば締め切り直前

(論文のテーマは人工知能。とてもすぐにできそうなものではない)

(Google検索で見つけた記事をコピペしようとする学生)

(するとオバケが現れる)

ジェームズ:「オヒョヒョヒョ、盗作のニオイがするのぉ~。」

ジェームズ:「ワシは盗作のオバケ、ジェームズじゃ。チャールズ・ディケンズの時代のな…。」

ジェームズ:「盗作に手を染めると何が起こるか、お前に教えてやろうぞ」

(ジェームズの作り出したシミュレーション映像に連れていかれる学生)

学生:「あの、論文を提出しに来ました」

(特殊部隊が突撃してくる)

兵士:「貴様、床に伏せろ!」

(連行される学生)

ジェームズ:「まず何よりも、インチキをして捕まるというのは大恥モノだという事」

ジェームズ:「しかも、履修していた授業の単位は取り消され、退学させられるリスクだってあるのじゃ」

学生:「OK、言いたい事はわかったよ。でもみんながみんな捕まるってわけじゃないだろ?」

ジェームズ:「甘く見るんじゃないぞよ。大学には秘密兵器があるのじゃ」

ジェームズ:「この大学には全ての論文をチェックする電子プログラムがあるのじゃ」

ジェームズ:「よっぽど運がよくなければ逃げ切れないぞよ」

ジェームズ:「故に、自分自身に問うてみるがよい」

ジェームズ:「『なんだかイケそうな気がする~!』…あると思うか?」

電子システム:「盗作発見!ダーティハリー(1974年)」

司令部:「マズイぞ、制御不能だ!」

ジェームズ:「そしてお前さん、ちょっとでも考えた事があるかね?インチキを使わずに優秀な論文を書き上げたらどんな未来が待っているか…」

司令部:「この事態に対処できる男は、1人しかいない!我々には今こそ人工知能に精通したリーダーが必要なのだ」

(シミュレーションの中にいつの間にか登場している学生)

学生:「グラフィカルユーザーインターフェースを作ってはどうでしょうか」

司令部:「よし、それだ!やれ!今すぐに!」

ジェームズ:「正しいやり方で成功すれば、それは自分の専門領域において自身の実力を証明した事になるのじゃ」

(シミュレーション内で拍手喝采を浴びる学生)(さりげなくオバマ大統領もいるw)

学生:「そいつはいいや!でも、「正しいやり方」ってどうやるの?」

ジェームズ:「必要としている情報が得られる、素晴らしい場所があるのじゃ」

(コーラスが始まる)

コーラス隊:「引用したり~♪既に他の誰かが発表したアイディアに基づいて議論を展開する場合~♪」

コーラス隊:「文章の中に~♪どこからそのアイディアを持ってきたのか必ず言及しましょう~♪」

コーラス隊:「こういうやり方なら『引用』で~♪」

(引用元のShakespearの部分を隠す)

コーラス隊:「でもこうすると『盗作』になっちゃう~♪」

コーラス隊:「このやり方はOKで~♪」

コーラス隊:「こっちはなんだか怪しい~♪」

チアガールズ:「Go go!引用!Go go!引用!」

コーラス隊:「最後にリストを作ろう~♪そこに参考文献をリストアップするのです~♪」

コーラス隊:「まだわからない事があるなら~♪ガイドラインを参照しましょう~♪」

コーラス隊:「ネット上で見られます~♪」

コーラス隊:「ログインして見てみてください~♪」

(コーラス終わり)

ジェームズ:「さぁ、もう執筆にとりかかれるじゃろう?」

ジェームズ:「そうそう、ちゃんと綺麗にレファレンスができているではないか」

学生:「よし、印刷だ」

ジェームズ:「よしよし、お前さんはもう疲れておろうぞ。どれ、ワシが代わりに提出しておいてやろう」

(学生の名前を勝手に自分の名前に書き替え、不敵な笑みを浮かべるジェームズ)

(日本語訳ここまで)

 

【所感】

「盗作がバレるとどれだけ酷い目に遭うか」をあれだけ徹底的に脅かしておきながら、最後には人の論文の名前を勝手に自分の名前に書き替えるというジェームズ。流石は「盗作のオバケ」ですね(^ω^)こういうオチの付け方、けっこう好きです。

コーラス隊の部分にさりげなくメタルが混じってる所も北欧らしさが出ていて、個人的にはツボでした。

それにしてもみなさん、やっぱり役者ですね~。あのオバさんの唾の吐きかけ方といい、「盗作オバケ」の最後のいや~らしい笑い方といい、演技だとわかっていてもリアルに感じるというのがすごいな~と思います。

んで、肝心の僕のレポートはというと?もちろん盗作などしておりませんとも!ちゃんと自力でやりましたとも!でも僕はアメリカ大統領の前で拍手喝采してもらわなくていいです^^;