Page 22:大学の週末イベント、Sista kräftan

9月30日の土曜日。この日は先日サウナに誘われた時にヤコブからぜひ来てくれと言われていた大学のイベント、Sista kräftanの日。改めて大学からのお知らせメールを見てみると、場所は大学の校舎の裏にて、開催時間は17時~23時と書かれていました。

この週は大学の課題がいろいろ重なっていた週で、課題の時間を確保するために最初から最後まで参加するのは厳しいと思っていました。でも、サウナの時に

「最後の辺りでちょっと挨拶がてら顔を出す程度でもいいからさ、気軽に来てよ^^」

とヤコブも言ってくれていたし、せっかくの機会だし、終わりがけぐらいのタイミングでちょっと行ってみようかなと思ったのでした。

 

【イベントの後半に顔を出してみた】

夕方ぐらいまで課題に取り組み、夜8時半ぐらいにアパートを出発。暗い夜道を歩いて大学へ向かいます。

オーランドは元々人がそんなにたくさんいないのですが、夜になると市内でも静かで、車もほとんど走っていません。

こーんな感じです。ホント誰もいない。

大学に着くと、イベントオーガナイザーの1人が僕を会場まで案内してくれました。
会場といっても、大学の建物の中でやるのではなく、何故か外にテントを立ててその中でパーティをしているのだそう。

中に入ってみるとこんな感じでした。

 

【ドイツで差別?】

パーティに加わり少しすると、僕の隣に座ってきた人が話しかけてきました。彼の名はロビン。新入生歓迎会のInsparkenにスタッフとして関わっていた先輩学生であり、僕の事を覚えててくれていて声をかけてきたようです。

ロビン:「どう?オーランドの人たちの印象は?」

僕:「うん、みんな優しくて居心地がいいよ^^まだスウェーデン語で不自由する所があるけど、それでもみんな嫌な顔一つせずに親切に対応してくれるし」

ロビン:「それは良かった!たしかに外国に行くと言葉の壁の問題もあるし大変な事もあるよね。僕も一時期ドイツに住んでた事があって、ドイツ語で苦労したからよくわかるよ!それにしても『みんな優しい』っていうけど、こっちに来てから差別的な態度をとられた事は今までなかったの?」

僕:「いやー、特に思い当たる事はないよ。ドイツではあったの?」

ロビン:「そりゃああったさ!あそこはとにかく外国人に冷たかった!僕が英語で話しかけても誰もまともに相手にしてくれないし、仕方がないからドイツ語で話すんだけど、やっぱり僕のドイツ語は不自由が多いから『ドイツにいながらドイツ語もロクに喋れないのか』みたいな態度を取られるんだ」

僕:「ええ、それは意外だねぇ。あっちの方って、仮に差別があったとしてもユダヤ人やアジア人だとか、最近問題になってる難民とかに対してだけだと思ってたのに、白人のフィンランド人とかスウェーデン人とかに対してもそういう態度を取られるなんて事あるんだ?」

ロビン:「あるある!あそこは同じヨーロッパから来てても外国人である時点で差別の対象なんだ!」

ロビンは自分が外国で差別的な扱いを受けた経験があったため、同じような事が僕にも起こっていなかったか心配で、こういう話を振ってきたようです。

もう少し詳しく聞いた話によると、どうやら彼は大学のプログラムの一環として行われる外国での実習のために何か月間かドイツに滞在していたらしく、小さな村みたいな所で働いていたらしいです。

そこはベルリンみたいな大きな街とは違って外国人が全くといっていいほどいない所で、とても閉鎖的な雰囲気の場所だったのだとか。話を聞いた分には外国人差別というよりは、一種のゼノフォビア(対外国人恐怖症)みたいなものなのではないかなとも思いました。それにしても、あれだけ多種多様な民族が混在しているヨーロッパの、しかもドイツにそのような場所があったとは正直驚きでした。

 

【BGMで流れてきたのは…】

ロビンとしばらく話していると、今度は「Karateという曲を知っているか」と聞かれました。
カラテ?格闘技としての空手はもちろん知ってるけど、曲としてのKarateは聞いた事が…。

ロビン:「Karateは日本のバンドのBaby Metalの曲なんだ」

ああ、思い出した!そういえばありましたな、そういう曲!普段聴いてないから気づかなかった。

ロビン:「実は今までかかってたBGM、僕が選んでたんだ。Karateの次はBaby Metalのギミチョコ!を流そうか?」

ギミチョコ!さすがにそれは知ってる!

するとテント内にデンデケデンデケドンドコドンドコと非常に速いドラムが響き渡り、日本語の歌詞の曲が流れたのでした。いやぁ、まさかフィンランドの大学のイベントでBaby Metalを聴く事になるとは全く予想していませんでした。

 

【二次会へGo!】

その後もいろんな人たちと喋り、気が付けばもうお開きの時間。みんなでテントの片づけに入りました。

さて片づけも終わり、もうそろそろ帰り時かな~と思いきや、ヤコブにクラブに誘われました。

ヤコブ:「この後さ、みんなでナイトクラブに行くんだけど、一緒に来ない?」

僕:「うーん、どうしようかな。もうけっこう夜遅いし…」

ヤコブ:「えー、せっかく楽しくなってきたんだし、もう少し遊んでいこうよ~。」(´・ω・`)ショボーン

何この人。粘り方がかわいいんですけど(笑)

ちょうど同じぐらいのタイミングで他の2~3人からも誘われ、まあせっかくだし行ってみるか~という事で便乗しました。

僕も含めた5人ほどでタクシーに乗り、市内のArken Nattklubbというナイトクラブに繰り出しました。

クラブの入場料は12ユーロ。そしたら偶然にもヤコブの携帯に表示されていた電子マネーの残高もちょうど12ユーロで、しかも現金も手元にないので、これを払うと文字通りスッカラカンの残高0ユーロになるという(笑)全員で爆笑してました。

(ただ、後で聞いた話によると、彼の銀行のSaving Accountにはまだお金が残っていたので、それをTransferすればお金は使えるから、文字通りの一文無しではなかったとの事です^^)

 

【初めてのクラブ】

クラブに到着すると、そこには普段僕が通っているIT系の学部のクラスメイトも何人かいるではありませんか。クラスメイトはここの常連とまではいきませんが、過去に何度かは来たことがあるそうです。けっこうみんなちょこちょこ行ってるんですね、クラブ。

最初の方こそ平和に座って飲みながら喋るっていう感じでしたが、しばらくするとみんなで踊るエリアにも繰り出していきました。

こういう感じの、いかにもクラブなやつです。

クラブ初体験の僕からしてみたら、全くの別世界に来たかのよう。
ちなみに、床には酒がこぼれていたりレモンの皮とかが落ちてたりするので、滑らないように足元注意です。

そういえばこのダンシングエリアで、けっこうガタイの良いイカツイ感じの男性が首に漢字で「馬」という入れ墨をしていました。うーむ、僕は別にタトゥー自体に対してはネガティブなイメージはないのですが、こういう漢字の入れ墨を見ると、本当に意味を調べてから彫ってるのかな~?と疑問に思ってしまいます^^;そういえば以前ヘルシンキの空港に寄った時も、手荷物検査の時に空港職員のイケメンの兄ちゃんが手首にでっかく「魚」って漢字の入れ墨してたな~。『日本人の知らない日本語』という漫画では、二の腕に「冷え性」と彫ってる人も紹介されてました(笑)

 

【ヤコブのポリシー】

夜の2時半ぐらいになってもみんなはまだまだ元気。その一方で、人生でまだ一度もオールをしたことのない僕はそろそろバッテリー危うしで、スリープモードに移行してきました。

ヤコブに「もうそろそろ帰るわ~」と一声かけると、彼も僕と同じアパートなので一緒に帰ってくれるとの事。

先述の通り、ヤコブは現在持ち金ゼロなので、アパートまではタクシーではなく歩いて帰る事に。ひんやりとした夜道を40分ほどかけて歩くので、彼からしても酔いをさますのにちょうどいいそうです。

道中彼はいろんな事を語ってくれました。彼はできる限りみんなを楽しませたいから、こういうイベントがある時はみんなを仲間に入れようと常に努力しているのだそうです。でも時には上手くいかない事もあるらしく、例えば長い付き合いの既に社会人デビューしている友達を呼んだ時は、その人1人だけが働いていて残りはみんな学生だったから共通の話題がなかなか見つからず、その人を上手く友達の輪の中に入れてあげられず、イベントやパーティを開くのは難しい事でもあると感じたりもしたのだとか。

でもこういうイベントがある時ってついつい自分の既に仲のいい相手とばかり話してしまいがちなものなのに、ポツンと取り残される人が出ないように、みんなが輪の中に入れるようにするにはどうしたらよいかをこの年齢(20代前半)で常に考えているというのだから、本当に立派なものだと思います。

それから、ヤコブは毎週のようにパーティみたいな事をやっていますが、なぜそのように過ごしているのかも彼は語ってくれました。

よく日本では「大学生活は4年間の夏休み」とか言われたりしますが、彼の話を聞く分には、フィンランドにも似たような考え方がないわけではないようです。

彼曰く、

「俺の通ってるホスピタリティ系の学部は就職先がサービス業に直結するから、一度大学を卒業して働き始めたら、もう毎週土日に休みが確保されてるなんて生活はできなくなる。だから今のうちに思う存分ハジけておきたいんだ。それに、こういうイベントを開催する経験を積むのって、将来自分がサービス業で働く時のためにもいい経験になるはず。友達相手に許容範囲の失敗もいろいろして、そこから学びながらみんなを楽しませる。それがいざ仕事をする時にも役に立つと俺は思うんだ。」

との事。

なるほど、サービス業で働いていると普通の人のように土日に休めないし、みんなが家に帰ってる夜とかでも働く事になったりするのは、日本のみならずフィンランドでも同じなんですね。

でもやっぱりフィンランドはさすがだなと思ったのは、そういうサービス業で働いている人でも3~4週間のバカンスは取れるらしいという事。就職先が大きいホテルではなく小さなレストランとかだと休みにくくなるものの、オフシーズンとかを狙えばやっぱり2週間ぐらいは休みを取れる可能性はあるみたいです。

サービス業ですら従業員にこれほどしっかり休みを取らせるフィンランド。その労働文化からもやはり学ぶべき事はあると思います。

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