Youtuberは楽して稼いでるという批判は世界共通だった件

どうも、最近『タンクトップ語学マスター』というチャンネル名でYoutuberデビューしました、シンイチです。

https://www.youtube.com/channel/UCnd3bzuitCVObfD8ybyTawQ

僕は今までYoutubeといえば日本語や英語で作られた動画ばかり見ていたのですが、最近ふとした事からフィンランド人がフィンランド語で作った動画も見るようになりました。フィンランドに住んでもう2年にもなるので、むしろ「今さら」感満載なのですが。

日本ではユーチューバーと言えばまず最初に名前が挙がるであろう人が

ヒカキンさん。

2018年1月の時点でチャンネル登録者数は約1130万人。国民の約10人に1人は登録している事になります。

これってよくよく考えてみたらすごい事ですよね。例えば音楽業界ではCDが100万枚売れたら「ミリオンセラー」とかいって大ヒット扱いですが、これでも冷静に考えてみたら国民の100人に1人、パーセンテージで言えば1%です。こうしてみると、国民の10%にチャンネル登録されるというのがいかにすごい事かが改めてよくわかりますね。

で、フィンランドではどうなのかというと、この記事を書いている2019年9月の時点で国内最大のチャンネル登録者数を記録しているのは

ミーサ・ロトラプッキラ(Miisa Rotola-Pukkila)

という人。

チャンネル登録者数は約39万人。フィンランドの総人口は530万人ぐらいなので、これも国民の10%弱は登録している事になります。

チャンネル登録者数約40万人というと、ほぼ全世界の視聴者を相手にできる英語での発信ででもけっこうなレベルの成功者としてランクされる数字ですし、もちろん1億人の潜在的視聴者がいる日本ででもここまで伸ばせる人はそう多くはいません。

ミーサさんの場合は、コンテンツは基本フィンランド語で発信しており、この時点で約530万人のフィンランド人とフィンランド語がわかるごく一部の外国人しか相手にできないので、たったこれだけの母数でも40万人集まるというのはやはり驚異的だなと。

で、このミーサさん、先日

TÄTÄ EN YMMÄRRÄ TUBETTAJISSA(ユーチューバーとして理解されない事)

というタイトルで動画を投稿していました。

内容は、視聴者からの質問やコメントの中でも特にYoutuberに対して批判的なもの(正確には世間から理解されていない事)をピックアップして、それらのコメントに回答していく、というもの。

これ見てると、Youtuberに対して世間が持ってる「チャラい」イメージって、日本だけじゃなくて世界共通なんだな~という印象です。そういえば一時期「世界一のYoutuber」として取り上げられたスウェーデン出身のピューディーパイ(本名フェーリックス・アルヴィッド・ウルフ・シェルベリ)も、

「アホみたいに叫びながらゲームしてるだけで年収14億も稼ぎやがって(# ゚Д゚)」

みたいな批判されてましたね。動画の下のコメント欄の内容も日本とあんま変わんなくてワロタwって感じ。

そこで今回は、このミーサさんのフィンランド語での動画の内容を日本語に直して紹介していこうと思います。(多少意訳)


Youtuberへの批判1:誤字脱字しやがって系

【フィンランド語原文】

Miks instakuvien teksteissä ei käytetä isoja alkukirjaimia lauseiden alussa? 
(なんでインスタの文章で最初の文字を大文字で書かないの?)
(0:29~)

Youtuberといっても、売れている人は大抵他のソーシャルメディアも使っていて、多いのはTwitterやInstagramなどと組み合わせるというものです。で、このミーサさんも例に漏れずインスタを併用しているらしいのですが、文の最初を大文字で書き始めていない事に対してこのようにツッコまれています。

(フィンランド語も英語と同じく、文の最初や人や国の名前などは大文字で書き始めるのが文法的に正しいとされています)

【ミーサさんの回答】

文法や綴り間違いを指摘してくる人はけっこうたくさんいるんだよね。私たちインフルエンサー(Youtubeやその他SNSでフォロワー数が多く影響力の大きい人)はたしかに「書く事」も仕事の一部になってるから、「正しいフィンランド語を使って当たり前」とか思われるのはわかるんだけど、文の最初を大文字じゃなくて小文字で書くぐらいの事はもう個人の好みの問題だと思うの。これは個人的に大文字を混ぜて書くより小文字だけで書いた時の文の見た目が個人的に好きだからそうしてるだけなのね。



Youtuberへの批判2:楽して稼ぎやがって系

【フィンランド語原文】

Miks ne saa rahaa siitä että ne vaan puhuu kameran ees
(なんでYoutuberってカメラの前で喋ってるだけでお金もらえるの?)
(1:06~)

まさにYoutuberたちが一番言われる事ではないでしょうか(笑)

僕は実際やってるのでYoutube動画を作るとはどういう事か身をもって実感しているのですが、

「そんな簡単なモンじゃねーよ」

ですね。

Youtubeはどんな動画を作るのもほぼ自由な反面、動画の企画、撮影、編集までを基本全て独りで行わなければいけません。ある程度規模が大きくなってくるとチームを作る事もできますが、ほとんどの人は少なくとも駆け出しの時期は独りでやります。

僕は今の所そんなに凝った演出は入れていないのですが、それでも

おおまかな企画→原稿の用意→実際に撮影→動画編集

の作業を全部含めると、約8分の動画を完成させるのに8時間ぐらいはかかってます。

僕は大学生活の片手間でやってて今の所週1回ぐらいの更新ペースなのですが、本業でYoutuberやってる人は基本毎日更新してますし、「副業」でYoutuberやってる人も2~3日に一本は動画投稿してるといいます。そんなにヌルイ世界ではないというのがおわかりになるでしょう。

で、一定以上の知名度に到達すると、これに加えてアンチからの批判コメントへの対処などもあると。Youtuberだって裏ではイロイロあるのだー。

【ミーサさんの回答】

良い質問ね。これ、実は自分自身でも時々同じ事考えちゃう。だってYoutuberって、活動のどの部分が「仕事」にあたるのかがイマイチわかりにくいもんね。でも、Youtuberっていうのは自分自身をブランディングするもので、それで徐々に知名度が上がっていって、そのおかげで少しずつお金が稼げるようになるものなのね。収入の内訳は広告収入とか、企業と何らかの形でコラボする企業案件とか。結局の所はブランディングね。もっとも、そもそもその「カメラの前で喋る」という最初の一歩がなかったら、これらは全部起こらなかった事なんだけどね。



Youtuberへの批判3:他にやる事ないのかよ系

【フィンランド語原文】

Harva vaikuttaja harrastaa mitään. Mitä sisältöä elämässä?
(インフルエンサーの大半って他に趣味が無いって印象。どんな生活してんの?)
(1:57~)

少なくとも僕の知る限りでは、日本のインフルエンサーは四六時中SNSをチェックしてて他にやる事がないイメージがあったのでが、フィンランドでもそういうイメージはあるようです。

【ミーサさんの回答】

小さい頃は乗馬とかダンスとかいろいろやってたんだけど、そう言われてみると私、今は他に特に何もやってないわ。ジムとかランニングとかは行くんだけど、これは趣味にはカウントしないよね。たぶんこれは、SNSでの発信を仕事にするっていうのは「生活そのもの」になっちゃうものだからだと思うの。ホントいつでもできる事だからね。だからそっちの方に気を取られちゃって、他の事をする時間はないし、やろうにもマネージメントが大変。



Youtuberへの批判4:DMシカトしやがって系

【フィンランド語原文】

MIKS ETTE VASTAA VIESTEIHIN DM? vastaukseksi ei kelpaa “niit tulee niin paljon” 
(なんでDM(ダイレクトメッセージ)に返事してくんないの?「メッセージがたくさん来すぎる」なんてのは言い訳にならないから!)
(4:02~)

これもインフルエンサーあるあるですね(笑)

僕みたいな普段ほとんどメッセージこない人はたまに何かメッセージ来ても基本的には全てに返事できますが、フォロワーが万単位を超えてくるとやっぱり膨大なメッセージが来るので対処に困るらしいです。

【ミーサさんの回答】

でも正直言ってどうやったら全部に返事しきれるのかわかんない。40万人もフォロワーがいたら当然山のようにDMだって来るでしょ。あまりにもたくさん来るもんだから、普段から個人的に仲良くしてる友達からのメッセージだってDMの山に埋もれて見つからずに読めない事だってあるし。でも、誰にも返事しないってワケじゃないからね。何時間もひたすら返事書きまくってる事だって普通にあるんだから。だってフォロワーとの交流って大事だと思うもん。だから質問にもできるだけ答えるようにしてるよ。



Youtuberへの批判5:四六時中動画アップしやがって系

【フィンランド語原文】

Sanotaan, että lähetään lomalle ja yritetään olla tekemättä videoita. Mut silti tulee videoita.  
(「バカンスに出かけてくる!旅行中はビデオ投稿しない」とか言っときながら、結局動画アップしてんじゃんかよ)
(4:43~)

これもたしかにw 

日本のブロガーさんとかもそうなんですが、「ちょっとホリデーでどこどこに旅行に来てます」とかTwitterで投稿しつつ、その人のメインのブログはしっかり更新されているという。本当にガチなブロガーは「毎日更新」が基本らしいですからねー。

【ミーサさんの回答】

これ、自分でもホントそう思う!これってたぶん、止まる事ができなくなってんじゃないかと思うの。ちょっとした休憩すらも入れられないみたいな。例えば私も初めてアメリカに行った時、トマス(交際中の彼氏の名前)に「旅行中は動画投稿はしないからね」て言われて、「ちょっと!生まれて初めてのロサンゼルスなんだよ!これを動画にしないなんてありえない!」とか反論してた。でもよく考えてみたら、本来は休暇中のはずなんだよね。仕事のために来てるわけじゃない。でもSNSの発信って、文字通り「いつでもどこでも」できちゃう。こういう生活してると、ちゃんと睡眠を取らなかったり、ちゃんと休んだりできてないってこともありがち。そうすると疲れが溜まるし、それが顔とかにも出てきちゃう。インフルエンサーっていうのは自分自身が商品なんだから、こういうのって気をつけなきゃね。私自身もすごく疲れてる事があるけど、そういう時ってコメントで「大丈夫?疲れてない?」みたいに言ってもらえる事もある。こういうのって嬉しくなるのね。だって私の事を考えてコメントしてくれてるって事だから。



番外編:北欧ならではのツッコミ

【フィンランド語原文】

Sitä että miks esim. joidenkin asioiden puhumista vältellään (ilmastonmuutos) 
(なんで地球温暖化とか、環境問題の話はしてくんないの?)
(7:36~)

環境問題!これ、北欧あるあるです。

北欧は非常に環境問題への意識が高く、20代や30代の比較的若い世代でもけっこう普通にこういう話が出てきます。で、こういうコメントを書く人からしてみたら、

「影響力のある人間こそ率先して『環境問題に取り組みましょう!』ってメッセージを発信すべきなんじゃないの?」

みたいに考えているようです。

【ミーサさんの回答】

こういうトピックが避けられるのって、たぶんレッテルを貼られるのが怖いからだと思う。環境問題に関して声高に叫んでおきながら自分自身が100%それを実践できてなかったら「口先だけの奴」みたいに叩かれるだろうし。もちろん環境問題はもっと積極的に話題に挙げられるべきだと思うけど、その責任がインフルエンサーの肩にのしかかるのはちょっとねって思うの。

この後は他のYoutuberもみんな言ってるような、

「みんなコメントありがとう!インスタやTwitterもチェックしてね。チャンネル登録や高評価もよろしく!」

みたいな台詞で締めくくってます。



コメント欄もほぼ同レベルで草w

コメント欄ってもちろん普通に暖かい応援メッセージもありますけど、かなりボロクソに辛辣な事を書いたりする人もチラホラ見受けられますよね。で、このフィンランド語での動画のコメ欄も大体似たような感じでした。

例えば、

Eniten ärsyttää ne tubettajat, jotka ensin keräävät videoilla ison yleisön ja sen jälkeen aivan yhtäkkiä rupeavat tekemään musiikkia, vaikka he eivät ole ikinä puhuneet halusta tehdä musiikkia. Nerokas idea kerätä ensin suuri yleisö videoilla ja sen jälkeen julkaista musiikkia, jotta biisi saa mahdollisimman paljon näkyvyyttä. Ja sen jälkeen puhutaan, että “oon aina halunnut tehdä musiikkia”.

(特にウザいのは、まず最初に動画で視聴者を集めておいて、ある日突然ミュージシャンデビューしだす奴とかだな。チャンネル登録者数を集めておいてから曲を出して、再生数を稼げるようにするのはアイディア的には巧いけど。んで、後になって「実は前からずっとミュージシャンになりたかったんだ」とか言い出すんだよ)

ja sitten se musiikki on paskaa

(しかもその曲の内容ときたらクソだもんな)

とかですね。

他には、

Oisko seuraavaks “mitä en ymmärrä seuraajissa/tilaajissa” 😂 mul olis muutama asia valmiina

(次は「フォロワーに関して理解不能な事」ってテーマで動画作ったら?もしよければ既にいくつかネタ用意してあるんだけど)

みたいな鋭い切り返しもありました。

まとめ

日本と海外を比べていると、よくその違いに目がいってしまいがちですが、

「どこの国でも同じなんだな」

と思えるような普遍的な部分も同時にたくさん見つかるものなんですね。暖かいコメントもあればクソコメもあるとw

あ、でもこのミーサさんのYoutubeの更新頻度は

「毎週金曜日」の「週1回」

らしいので、そこはやっぱり日本人ほど働かないのねwって感じですけどね。

さて、僕自身はYoutubeはまだ最近始めたばかりで、このブログ記事を書いている時点ではまだ動画投稿数は5つですが、つい先日ようやく初めて知らない人からのコメントがついた所です。嬉しい事に「とても参考になりました!もっと語学学習法が知りたいです!」的なポジティブ系コメント。

まだまだ先の話だと思いますが、これでアンチのクソコメもつくようになってきたら真の「人気者」の仲間入りですねー。

「世の中には10か国語以上喋れる人もいるのに、4か国語程度で『語学マスター』とか名乗ってて草」とか、

「タンクトップとサングラスの組み合わせが意味不明」とか、

はたまた、

「露出してる割に筋肉ねぇじゃん。俺ならベンチプレス150㎏挙げれるしw」とか、

「あんたのフィンランド語/スウェーデン語、〇〇の部分の文法間違ってまっせ。その程度で『喋れる』とか言ってんの?」とか、

「英検1級持ってんの?TOEIC満点取ってんの?証拠見せろ」とかwww

暖かいコメントはもちろん大歓迎ですが、クソコメもそれなりに楽しみにしております(^ω^)笑