スウェーデン語テストSwedex合格体験記(B1・B2)

今回はスウェーデン語のテスト”Swedex”の合格体験記を紹介しようと思います。

合格体験記といっても、テストを受けたのは今から2年半以上も前の2017年3月でした。当時はこの北欧ブログはまだ開設しておらず、当ブログを始めてからもこのスウェーデン語力テストに関してはすっかり忘れており、書きそびれていたのです。

そもそも、僕って「語学力テスト」そのものが嫌いなんですよ。英語のTOEICや英検やTOEFLやIELTSに限った話じゃなく、こういう類のテストそのものに魅力を感じない。語学力のテストに出てくる問題って大抵実践とはかけ離れたような内容だし、「受験者を引っかける事」をまず第一に考えて問題が作られているので、「その言語を実践で使いこなせるかどうか」という本質から外れている。

だから例えばTwitterのプロフとかで「英検1級&TOEIC満点&通訳案内士の三冠保持者」とかいう肩書を見たりしても僕はシラけます。語学力テストの点数なんざ見せたって、いざその言語圏の国で生活するとなったらそんなモン誰も注目しない。

大事なのは、その言語圏での大学生なら大学で実際に単位が取れる事、会社で働いてるなら実際に仕事ができる事でしょ。語学テストの点取りだけができて実生活では通用しない、つまり大学で単位が取れなかったり仕事ができないようでは何にもならない。こういう語学力テストの結果ばかりをネタにやたらマウント取ろうとする人がいたとしたら、大抵の場合は日本人同士の間だけでの見栄の張り合いなのです。

僕からすれば、こういう「引っかけばっかり」の語学テストで高得点を取るよりも、実際の大学生活をスウェーデン語でこなす方がよっぽどイメージしやすくて楽です。実際、C言語の授業をスウェーデン語で受けて普通に単位とったりしてるし。(参考までに、下の記事は大学のC言語の授業の期末テストを正答率95%で合格した時のもの)

だからスウェーデン語の語学力証明テストも受けずに済むなら受けたくない。だって興味ない上に時間の無駄だもん。

にも関わらず当時2017年3月に僕がテストを受けたのは、「受けざるをえなかった」からです。スウェーデン語圏の大学にスウェーデン語を母語としない外国人が願書を出すためにはスウェーデン語力の証明がいるため、さすがに語学力テスト嫌いの僕も観念して受ける事にしたのでした。

てなわけで、能書きはこれぐらいにして本題に入りましょう。


当時受けたスウェーデン語のテスト:Swedex

僕が当時受けたスウェーデン語のテストはSwedexというもの。ヨーロッパ言語共通参照枠でいうA2・B1・B2の3つのレベルのテストが用意されています。B2は英語のテストでいうと英検準1級ぐらいに相当するらしいです。

Swedexは2019年現在、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アメリカ、アフリカの28か国で実施されています。

Swedexのいい所は、特に語学学校とか通っていなくても受けられ、レベルも一応3つと複数ある事。スウェーデン語力を測るテストは他にもいくつかあるのですが、SFIという現地の語学学校に通っていなければ事実上受けられないものや、理論上は誰でも受けられるもののレベルがC1の1種類しかないようなテストもあり、選択肢や受験資格のバランスからいってとっつきやすいのがSwedexだと思います。

ただし、スウェーデン語圏の大学に入りたい場合、大学によってはC1レベルの資格を持っていないと入学できないような所もあるので、みんながみんなSwedexでいいというわけではありません。入りたい大学の語学力要件は必ず自分で確認しましょう。僕の場合、オーランド大学はB2でもOKだったのでSwedexを受ける事にしました。結果を先に言っちゃうと、一発合格です。

スウェーデン語のテスト合格のための大前提

もしこの記事の読者の中にスウェーデン語のテストを受ける事を考えている人がいるのであれば、その人には大前提としてまず頭に入れておかなければいけない事があります。それは、

「小手先のテスト対策のテクニックを一生懸命覚えるよりも、総合的なスウェーデン語の地力そのものを日頃から伸ばしておくべし」

です。

スウェーデン語なんてという世界的にもかなりマイナーな言語のテストをわざわざ受けるという事は、英語のTOEICを受ける人などとは全く違う事情があるという事でしょう。TOEICは高得点取れてても高い英語力を証明した事にはならない「テストのためのテスト」ですが、人によっては「別に本物の英語力なんてなくてもいいから、とにかく就活の時の履歴書に高得点載せて面接官の目を引ければそれでいい」という動機でTOEICだけ頑張る、というのもなくはないかもしれません。

でもスウェーデン語の場合は違う。スウェーデン語力を証明しなければいけないというのは、スウェーデン語圏の大学でスウェーデン語で勉強するとか、スウェーデン語圏で働く場合ぐらいに限られてきます。そんな場合、仮に小手先のテスト対策のテクニックだけで点数を上乗せする事に成功したとしても、後になって「テストでは点とれるけど実践で通用しません病」に苦しめられるのは目に見えている事です。

従って、普段から「実践で通用する本物のスウェーデン語力を総合的に伸ばす」事に集中し、日程的にテストが近くなってきたら過去問を通してテスト問題の形式に慣れる、ぐらいの感じでよいと思います。テスト対策に特化した勉強ばかりしても、「テストしかできない人」になってしまうからです。それって結局遠回りじゃないですか。

SwedexのB1とB2の主な違い

僕はまだ日本にいた頃の2017年3月に東京でSwedexのB1とB2の2つを受験しました。B2はB1よりもレベルが高く、B2をクリアすれば当然B1レベルもある事が証明されるので、B2だけでもいいかもしれませんが、日程では土曜日にB1、日曜日にB2が行われる事になっていたので、ウォーミングアップを兼ねてダブル受験にしたのでした。

B1とB2の試験はもちろん試験のレベルそのものが違いますが、難易度以外にもいくつか違いがあります。

例えばリスニングに関しては、B1では音声が2回流れるのに対し、B2では1回しか流れないので、聞き逃しても聞き直しができません。従ってより高いリスニング力が要求されます。

リーディングでは、B1は問題文も回答の仕方も割と普通な感じですが、B2はトリッキーになってます。設問の順番が問題文の順番通りになってないんですね。

例えば、10段落分の文章があり、その内容を基に5問の問題が出るとします。これがTOEFL iBTとかなら、少なくとも僕がTOEFL受けてた頃ならこれが「順番通り」だったんですね。

例えば、問1の答えは第1段落か第2段落を読めばわかるようになっている。問2の答えは第3段落または第4段落から探せばよい。問3の答えは第5段落または第6段落から……

という具合です。

でもSwedexのB2は違う。問1の答えは第9段落を見なければわからない、問2の答えにつながる情報は第1段落に書かれている、問3の答えは第4段落を読む必要がある、みたいな感じで、設問と段落の順番がバラバラなのです。

なので、SwedexB2では文章ではなく設問を先に読み、それに該当する段落はどれなのかを自分で探さなければいけません。本文を上から下まで順番に読むのではなく、本文内にランダムな順番で散りばめられた情報を限られた時間内に見つけ出す能力が要求されます。

まぁ、僕は実際にスウェーデン語圏の大学に入って2年以上経ちましたが、こんな能力を使う機会は未だに1度もないまま単位ひと通り取れてるんですけどね。だから嫌いなんですよ、こういうテスト。実践で必要のない事をわざわざ練習しないといけないから。

ライティングに関しては、B1では「友達に手紙を書きましょう」みたいなごくごく日常的な内容で、分量も30分の制限時間で100単語となかなか緩いです。それに対し、B2のライティングは英検でいえば準1級以上、TOEFL iBTやIELTSのようなカチッとしたストラクチャーが求められます。

・イントロ 
・メインの論点(その1) 
・メインの論点(その2) 
・メインの論点(その3) 
・まとめ

みたいな構成ですね。

これは60分で300単語と、分量はTOEFL iBT並み、制限時間はIELTSよりちょっと緩いぐらいな感じです。

スピーキングはB1かB2かで設問の難易度は違いますが、形式はそれほど変わらなかったと思います。どちらもスウェーデン語のネイティブを相手にしたグループ面接。ここが英語のテストとちょっと違う所ですね。1人で面接受けるわけではない。なので、Swedexのスピーキングは他の受験者がどういう人たちかによっても多少左右される所はあるかもしれません。

グループ面接という性質上、他の受験生が何を喋っているのかもよく聴いて、アホみたいな割り込みはしない、周りの発言と関係のない唐突な発言のないように気を付けながら、出された質問に対する自分の考えを述べるようにします。

あと、B1にはB2にないセクションが存在します。「文法・ボキャブラリー」という項目です。これは日本の学校の英語のテストにかなり近い、「空欄に当てはまる単語を正しい形で書きなさい」という「穴埋め形式」の問題です。

さて、ここで注意事項です。ここまでSwedexの問題のおおまかな内容を説明しましたが、これはあくまで僕が当時受験した2017年3月時点のものです。こういうテストは何年かすると形式が変わる事もありますので、正式な情報はかならず公式HPから過去問をダウンロードして確認してください。

https://www.folkuniversitetet.se/Las-mer-om-sprak/Sprakexamina/Swedex/Modelltest/

Swedex申し込み方法

Swedexの公式HPで日本での受験方法を問い合わせしてみた所、

東京スウェーデン語学校

という所に連絡してくださいと回答されたので、そこに連絡してみました。2016年10月の事です。するともらえたのは、

「毎年3月に試験を実施していますが、申し込み人数により実施できるかどうかが決まります。試験実施可能かどうか決定するのは1月になりますが、それでは遅いようでしたらスウェーデンで受験される事をおすすめします」

という返事。

それと同時に東京スウェーデン語学校のFacebookのページも教えてもらい、Swedex受験情報をチェックして、実施要項が出たら速攻で書類をPDFダウンロードして必要事項を記入して送ったのでした。受験料はたしかB1が2万円強で、B2が3万円弱。

ちなみに、少なくとも僕が受験した時は受験に人数制限があり先着6名までだったので、東京スウェーデン語学校のFacebookの更新をちょっとチェックし忘れててSwedex受験情報の告知から4日経っていたのに気づいた時は焦りました。が、幸いまだ他に出願者がいなかったので問題なく僕の受験願書は受理されました。

試験当日@東京スウェーデン語学校

当日の試験会場は東京スウェーデン語学校。「スウェーデン語学校」といってもアパートの小さな一室を借りてやっているようなので、英会話のイーオンとかECCみたいに遠くから看板見て「あそこだ!」ってすぐわかるような場所ではありません。

当日受けてみてわかったのですが、僕の受けたB1とB2の僕以外の受験者は皆この東京スウェーデン語学校で普段スウェーデン語を勉強している生徒さんたちでした。外から受験しに来たのは僕1人で、アウェー感超満載。

試験の雰囲気は「テスト」というより「自習」してるって感じ。僕はトイレがけっこう近い人なので、ライティングを早めに書き終わったら「すいません、ちょっとお手洗いいいですか」とかいって途中トイレにかけこんだり。緩い感じです。

テストの後は懇親会も(^^)

試験2日目が終了したら、その日の夜は懇親会があったので参加させていただきました。この時に同じテスト受けてた他の受験生や普段東京スウェーデン語学校に関わっているスウェーデン人たちと知り合って、Facebookの交換もしました。

受験者の中でも、東京スウェーデン語学校には通わずに独学で勉強して受験したのは僕だけだったという事などもあり、けっこう珍しがられて質問攻めにあいましたw

本当はこの懇親会は最後までいたかったのですが、実はこの日は以前書いた記事

でも紹介した、ゆうへいとタラちゃんとも都内で会う約束だったので、途中で切り上げてお別れしたのでした。

いやー、思えばあれももう2年半以上前か。早いもんだ。でもとりあえずスウェーデン語のテストを一発合格できてよかった。これがなかったら今頃オーランド諸島でプログラミング勉強できてないからなぁ。

それにしても、SwedexのB2のリーディング、設問の順番がバラバラなのはやっぱ許せん。これ考えると、TOEFL iBTとかIELTSのがまだマシだったかもなー。バブルソートでもいいからソートしとけっつーの、ソート。(CS専攻じゃない人、意味不明なネタでスマンw)