英語で発音よりもっと大事な事とは?〇〇を意識すべし!【〇〇に入るのは”文法”ではないよ】

以下の動画でも同じ事を喋っているので、記事を読まなくてもラジオ感覚で聴くのもありです。

動画:伝わらない日本語発音の英語と外国人のカタコト日本語の共通点とは?

一部、字を読むのではなく音を聞かないと伝わらない部分がありますので、そういった部分に関しては記事内で動画のどの部分を見ればよいのかをピンポイントで指示します。

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今回は「外国語で話す時に発音以上に気を付けるべき事」をテーマにお話します。

みなさん、外国語で話す時に発音って気になりますよね。自分の言っている事がネイティブに伝わらなかったら、「あれ、発音間違ってたかな?」みたいに、まず自分の発音の間違いを疑ってしまうのではないでしょうか。

たしかに発音はスピーキングにおいて非常に重要な要素なのですが、実は発音よりももっと大事な事があるんです。それはイントネーション


イントネーションとは

イントネーションとは、音の抑揚の事。単語や文の中のどの部分で音が上がり、どの部分で下がるのかの事をいいます。どの言語にもその言語特有のイントネーションというものがあり、英語はもちろん、俗に「抑揚がない」とか「平べったく聞こえる」とか言われる日本語も例外ではありません。

そして、なぜこのイントネーションが発音以上に大事なのかというと、イントネーションは単語の意味以前に「どの言語っぽく聞こえるか」に直結するからであり、これを間違えると、例えば英語を喋っているつもりでもそもそも英語として認識すらしてもらえない事もあるからです。

日本人の英語に限らず、外国語で喋る時に「訛っててわかりにくい」と思われる人は、ほぼ例外なく共通の間違いをしています。

それは、「外国語で喋る時にその言語のイントネーションで喋らず、自分のネイティブ言語のイントネーションをそのまま当てはめてしまっている」というものです。

これは一体どういう事なのでしょうか。今から少し具体例を見ていきましょう。

”This book is very important”ってどうやって言う?

英文としては比較的簡単な文である

”This book is very important”

を声に出して読むと、どんな感じになりますか?ちゃんと”This book is very important”って言えていますか?「でぃすぶっくいずべりーいんぽーたんと」みたいに読んでいませんか?(動画1:50-2:05参照)

2回目はわざと日本語訛りな読み方をしましたが、そもそもこれはなぜ「日本語訛り」と認識されるのでしょうか。もちろんカタカナ発音というのもあるのですが、ここで出てくるのがイントネーションの問題なんですね。

さて、ここでみなさんにもう1つ質問です。さっきの英文を日本語にすると

「この本はとても重要です」

になるのですが、これ、声に出して読んだとしたらどのように聞こえますか?はい、「この本はとても重要です」ですよね。「コノホンハトテモジュウヨウデス」と読んだ人はおそらくいないはず。(動画2:25-2:42参照)

ここでも僕は2回目はわざと不自然な読み方をしました。おそらく多くの人は、これを「英語訛りの日本語」として認識したと思います。

この「日本語訛りの英語」と「英語訛りの日本語」の共通点はただ1つ。「自分の母国語のイントネーションを外国語にも無理やり当てはめている」という事です。

みなさん、もうお気づきですよね。「日本語訛りの英語」である、「でぃすぶっくいずべりーいんぽーたんと」は「この本はとても重要です」と同じイントネーション。そして、「英語訛りの日本語」である、「コノホンハトテモジュウヨウデス」は”This book is very important”と同じイントネーションなんです。

発音より強力なイントネーション

イントネーションが変わると聞こえ方が随分と変わってしまいますよね。ですがこれは逆に言えば、発音が完璧ではなくてもイントネーションが正しくできていれば、かなり「その言語っぽく」聞こえるという事です。

実際、英語が上手な日本人の中には発音に日本語訛りが残っているけど問題なく通じている人がいます。その理由は、多少発音は訛っててもイントネーションだけは完璧に英語のイントネーションに合わせているからなんです。

ではここで、さっきの簡単な英文”This book is very important”をもう一度見てみましょう。今から僕はこの英文を次の3つのパターンで読みますね。(動画3:55-4:35参照)

1つ目は、「発音もイントネーションも英語」 
2つ目は、「発音は日本語訛りでイントネーションは英語」 
3つ目は、「発音もイントネーションも日本語訛り」

となります。

ではまず、1つ目のパターン。This book is very important

次に、2つ目のパターン。ディス ブック イズ ベリー インポータント。

そして3つ目のパターン。でぃす ぶっく いず べりー いんぽーたんと。

どうですか?3つ目は完全に日本語訛りですが、2つ目の「発音は日本語訛りだけどイントネーションは英語」のパターンも、それなりに英語っぽく聞こえませんか?

そしてこのイントネーションの重要性は英語以外の言語でも当てはまります。例えば日本語でも「そうか、そういう事だったのか」という文をはっきり発音せずに「ほーか、ほーゆーほほはっはのは」と言っても、けっこうな割合でわかってもらえますよね。(動画4:50-5:04参照)

逆に、イントネーションが間違っているがために一気に通じにくくなる例として、僕の実体験を少しお話します。

これは僕がフィンランドの空港で経験した事なのですが、入国審査の時に僕の日本のパスポートを見た職員に「どこへ行くの?」と日本語で聞かれたのに最初なんて言われたのかわかんなかったんです。

それはこの職員のイントネーションが「ドコヘイクノ?」だったからであり、英語で「目的地はどこですか」のWhere are you going?と同じイントネーションだったからです。(動画5:25-5:37参照)

このフィンランド人の職員さん、日本語を少し喋れる人だったから実際に日本人を目の前にして日本語を使ってみたかったんでしょうね。嬉しい事なんですけど。でもイントネーションが英語のままだったから僕は最初は英語で話しかけられたと思ってたという。2回目は一応「ドコヘイクノ?」でも日本語として認識して聞き取れたんですけどね。

まぁここで言いたいのは、それだけイントネーションの持つ力が強力だという事なのです。

まとめ

今回の動画のポイントをまとめると、

・発音は大事だが、イントネーションはそれ以上に大事 
・イントネーションが完璧に合っていれば、発音が多少不正確でも通じる可能性は上がる

となります。

もちろんキレイな発音でイントネーションも完璧にできればそれが1番いいのですが、個人差はありますが発音というのは臨界期(その年齢を過ぎると習得が難しくなるもの)があると言われており、語学学習開始時の年齢によっては、完璧な発音にこだわり過ぎると全体の学習過程でみると時間的なコスパが悪くなってしまう事もあります。

それに対し、イントネーションは僕の知る限りでは臨界期の存在は聞いたことはありませんし、意識の持ち方次第では発音よりも修正しやすいと思います。

「発音が悪くて自分の言っている事が通じない!」とか、「日本語訛りの発音がなかなか直らない」と悩んでいる人は、一旦考え方を変えて、まずは発音よりもイントネーションの方を重点的に直してみるとよいかもしれません。


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