英語スピーキング上達のコツとは?勉強・練習を4段階に分けるべし!

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英語をはじめとした語学においては、一般的には一番難しいと言われているのはスピーキングでしょう。(少なくとも日本人の)語学学習者の中には、

「読む事はある程度できるけど聞き取りができない」
「読む事と聞き取りはある程度できるけど喋れない」

という人が多い事からもわかるように、習得するのはなかなか一筋縄ではいかない。それがスピーキングなのです。

では、なぜスピーキングはこんなにも苦手意識を持っている人が多いのでしょうか?以下に多くの人がスピーキングができない理由と、スピーキングを練習する際に気を付けるべき点を書いていきます。


スピーキングができるようにならない2つの理由

理由1:そもそも普段からスピーキングの練習そのものをやっていない

先述のような「読んだり聞いて理解する事はできるけど、実際に喋ろうとなるとなかなかできない」という人には、そもそもスピーキングの練習そのものをやっていないという人が少なからずいます。

「英語の勉強を500時間やった!」といっても、その500時間の内訳を見てみると、例えば

・リーディング…250時間
・リスニング…225時間
・ライティング…20時間
・スピーキング…5時間

みたいに、勉強時間の割り当てが完全にリーディングとリスニングばかりに偏っており、スピーキングの練習時間そのものがほとんど確保されていないというパターンです。上の例では500時間の勉強時間のうち、スピーキングに割り当てられている時間は5時間と全体のわずか1%となっていますが、ここが文字通り0時間の人もそんなに珍しくありません。

普段から練習していないものはできなくて当たり前。現在この状態にある人は、スピーキングを伸ばしたければまず最初にやるべき事は

「実際に何かスピーキングの練習になるものに取り組む事」

です。

理由2:普段のスピーキングの練習の難易度設定を間違えている

一方で、

・話し相手を見つけて英語(または自分の勉強中の他の言語)で会話をする

など、スピーキングの練習になる事をやっているのにあまり効果が出ない人もいます。

例えば500時間の勉強時間の内訳が

・リーディング…150時間
・リスニング…150時間
・ライティング…100時間
・スピーキング…100時間

みたいに比較的バランスの良い割り当てになっており、それなりに勉強量を確保しているはずなのにスピーキングがほとんど伸びていないという人は、スピーキングの練習の難易度設定を間違えている可能性があります。

「スピーキングの難易度設定」とは何か?実はスピーキングの練習は大きく分けて

・補助なし
・小さい補助付き
・大きい補助付き
・簡単な文のストック作り

の4つがあり、自分の現在のスピーキングのレベルがどこにあるかによって、どの練習を重点的にやればいいのかが変わってくるのです。ここで自分の現状に合わないタイプのスピーキングの練習をやっても、時間を費やした割には大して効果が出てないなんて事になりやすいです。

勉強や練習は、

「今の自分のレベルから見て簡単すぎず、難しすぎず」が鉄則

だからです。

ちなみにここでいう語学における「補助」とは、その言語のネイティブスピーカーや上級者だったら必要のないサポートの事を言います。

補助なし

例えば、英語力が不十分な人だったら、英文を読む時には辞書が欲しいでしょうし、英語の動画も英語字幕がなければセリフが聞き取れなかったりするでしょう。

でも英語のネイティブやネイティブに近い上級者だったら、英語のニュースを辞書なしでそのまま読めますし、英語の映画なども字幕なしで見れるでしょう。英語で文章を書くのにしても、TwitterやFacebookに英語で何かつぶやきたいと思ったらその場で思ったことをスラスラかけますし、友達と喋ったりする時も喋ろうと思った時にそのまま思った内容で喋る事ができます。

このように、辞書や字幕などの「ノンネイティブ用のサポート」を使わないのを僕は「補助なし」と呼んでいます。

スピーキングにおいては、

「事前に喋る内容を頭の中で準備しておく事」
「なんと言ったらわからないような単語や表現をあらかじめ調べておく事」

などが「補助」にあたります。

僕が今まで見てきた「英会話などに積極的に参加しているのにスピーキングが全然伸びない」という人には、自分が喋ろうとしている内容を頭の中で事前に整理せずに喋ろうとして、いざ実際に喋る時になるとつっかえてばかりいる、つまりまだ語学力が十分じゃないのにいきなり「補助なし」の難易度が高いスピーキングをやろうとしている人が多いように思います。自分の現在のレベルから見て難しすぎる事をやろうとしているから何度やっても失敗する、というわけです。

基本的に、「補助がどれだけ必要か」と「学習者の現在の語学力」は反比例の関係にあります。既に語学力が高ければ高いほど喋る前の頭の中での準備をせずにいきなり喋り出すことができますが、語学力が低ければ低いほど「実際に喋る前の準備」として「頭の中で自分がこれから喋りたい内容を準備する」必要があるのです。

小さい補助付き

上記の「補助なし」に対し、主に「喋る内容を事前に準備しておく事」を「補助あり」と僕は呼んでいますが、その中でも

「喋ろうと思っている内容のキーワードを箇条書き程度にメモし、メモを見たら何の事か思い出せるようにしておく」

程度の補助を

「小さい補助」

と呼んでいます。

これは、まだそれほど流暢ではないにしても、既にある程度は文章を自分で組み立てられる人が用いると効果的な補助です。例えば、僕は北欧に住み始める前から運よくスカイプでスウェーデン語でお喋りしてくれる友達がいたのですが、ある程度スウェーデン語が喋れるようになってからは、例えば

・användbart verktyg som jag nyligen hittat (最近見つけた便利な道具)
・tänker köpa en flygbiljett (飛行機のチケット 買おうと思ってる)

とかみたいに、「見たら何の事か思い出せる」程度の、自分だけのための簡単な箇条書きのメモを用意すれば会話は問題なく続くようになっていました。もちろんどんなトピックについて話すかだけではなく、例えば「ええっと、subconsciouslyってスウェーデン語で何て言うんだっけ…?」などと気になる単語があれば会話が始まる前に調べておき、

Subconsciously = udermedvetet

などと、自分が後で使いたい単語を事前にメモしておくというのもやっていました。

大きな補助付き

ただ、僕も上記のような

「箇条書きのメモ程度」

を用意しただけでいきなりスウェーデン語をスラスラ喋れるようになったわけではありません。僕はスウェーデンの友達と知り合ったばかりの頃はスウェーデン語を全く喋れなかったので会話は全て英語で行っていたのですが、初めて「スウェーデン語だけで喋ってみたい」と僕が話を持ち掛けた時は、例えば次のような「既に出来上がったセリフ」をあらかじめ準備していたのです。

Nyligen har jag haft ganska mycket extra fritid för att jobba på svenska själv, och nu tror jag att jag har förbättrat min svenska tillräckligt för att ha samtal, så idag vill jag pröva prata med dig på svenska för första gången.
(最近自由に使える時間が増えてスウェーデン語の勉強を自分でけっこうやってきたし、最近スウェーデン語が会話をできるぐらいまでに上達したように思うから、今日は初めてスウェーデン語で会話をしてみたいんだ)

当然、当時はどんなトピックで話をしたいか、それぞれのトピックでどんなセリフを言おうとしているかもある程度はあらかじめ決めており、事前に用意しておいた「既に出来上がったセリフ」をけっこう使っていました。

簡単な文のストック作り

僕がスウェーデンの友達と初めてスウェーデン語だけで喋るのにチャレンジした時は上記のように既にある程度長くて複雑な文章が作れるようになってからでしたが、これも僕がスウェーデン語の勉強を始めてからいきなりこんなに長い文が作れるようになったわけではありません。

スウェーデン語の文法や単語を覚えたばかりの頃は、

Idag var min fördelsedag. Jag åt en liten tårta.
(今日は僕の誕生日だった。小さいケーキを食べた)

ぐらいの簡単な文しか作れませんでした。

でもここで無理に長くて複雑な文を作ろうとする必要はありません。最初はこういう簡単な文でもいいから、日ごろから短い文を書いたり頭の中で組み立てたりして、

「学習中の言語で文を組み立てる事に慣れる事」
「簡単な文のストックを頭の中に作っておく事」

の2つに取り組む事にしたのです。

簡単な文のストックが十分になると、次第に文と文を組み合わせたりして、上記のような長めの文章もできるようになるのです。

まとめ

語学のスピーキングに限った話ではありませんが、何かのスキルを上達させたいと思ったら、

「できる事から少しずつ積み重ねる事」
「ステップ・バイ・ステップでレベルアップする事」

がとても重要です。

なので、そもそも自分で文を組み立てる練習をしたことのない人は短くて簡単な文でもいいからとにかくまずは「文を組み立てる事」から始め、

「文を組み立てる事」に慣れ、簡単な文のストックが頭の中にできている人は、自分の現在のレベルに応じて「大きい補助」や「小さい補助」を組み合わせて喋る練習をしてみる。

そして「小さい補助」を少し使うだけでほぼ問題なくスラスラ喋れるという状態になって初めて「補助なし」の喋りもスムーズにできるようになるのです。

Rome wasn’t built in a day
(ローマは一日にして成らず)

です。

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