西村さんのレッスン体験談

私は言語に興味があり、複数言語を学習しておりましたが、学習が中々思うように捗らず停滞しておりました。巷の語学学習についての書籍を見ても、理屈は書かれてあっても詳細なやり方までは書かれていませんでした。そんな時、シンイチさんのユーチューブ動画をふと見て、彼の言っていることに「確かにな」と肯ける部分があったので、迷わずコンタクトを取りました。

教わったことは、個別の言語ではなく語学に対する考え方ややり方です。特にやり方に関しては、相当細かくレクチャーいただきました。シンイチさんは、英語の杵柄はあったものの、スウェーデン語やフィンランド語は0からの学習だということで初心者の陥りやすい問題の解決など、学習者目線で教えてくれました。

また、語学に関しての質問に対しては迅速かつ丁寧に答えていただけました。質問する時って、質問する側は「こんな質問していいかな」と躊躇してしまうのですが、シンイチさんは、レベルの低い質問にも丁寧に答えていただき、ありがたかったです。

シンイチさんのレッスンを受けて自身が考えたことは、以下の3つです。

①語学だけでなく、学習を成就させるのは頭の良さではなく、時間とモチベーションの管理である。
語学ができる人は優秀であるとよく見られますが、私はそれが全てではないと思います。確かにそういうぶっ飛んだ人はいますが。語学に限らず、学習全般に言えることですが、継続させる、そして習慣化させることが成功のかぎだと思いました。そのためには時間の確保とモチベーションを維持させることが重要だと考えました。

②焦らず、急がず、でも休まず
現代社会は、スピード、短時間、低コストということが口酸っぱく言われます。確かにこれらは大事なことだと思います。私も宮仕えしていたときには、よく言われました。そのため、短期間で何でも解決できる、成就すると思ってしまうがため、それがうまく行かないと「ああ、俺はダメだ」と思ってしまいます。世に出回っている学習系の販売など正にその典型でしょう

私はそれが悪いとは言いません。そういったバックグラウンドで生活し仕事をする場合必要なスキルだと思います。しかし、「勉強」「学習」「学ぶ」ということは、それで終わることではないと思います。殊、語学に関しては、試験勉強などは別にして、長く付き合っていくべきものではないかと考えます。

誰かと比べなくてもいい、そんなに急がなくてもいい、でも、毎日少しの時間でも考える数分の時間を継続していくこと、そしてそれを積み重ねていくことが大事だと感じました。

③何か行動を起こす時は「迷わない」「とりあえずやってみる」
これは人の性格にも影響しますが、失敗を恐れないということです。そして決断を恐れないということです。選ばなかった時の後悔を考える、また選んでみて結果ダメだった…そういったことを考え躊躇する…よくあることです。

「どっちにしようかな」と思った時、例えそれを選ばなかったとしても、その時の決断を深く悩まないということです。

どっちに転ぶにせよ、それは結果論です。また、そのことで次へのステップにつながると思います。シンイチさんと話していて、「とにかく行動を起こす。」ということは大事なことだなと思いました。

管理人からのコメント

西村さんは、当語学独学講座の受講生の中では初めての英語以外の語学学習者です。これまでにロシア語、ベトナム語、ルーマニア語、ネパール語、ウルドゥー語の学習経験があり、今回の講座ではベトナム語の上達を焦点にした内容となりました。

このコメントを書いている2020年11月時点で、僕が喋れるのは日本語、英語、スウェーデン語、フィンランド語の4か国語であり、僕にとってベトナム語は「こんにちは」や「ありがとう」などの簡単なフレーズすらも一切知らない言語です。

ですが、僕の語学独学講座ではこのような僕自身が喋る事のできない言語の学習ですら指導可能です。なぜなら僕がお手伝いするのは「ベトナム語の指導」ではなく、「どんな言語にも通用する」「効率の良い語学の独学のやり方そのものを学ぶ事」だから。

とはいえ、英語学習者へのレッスンと違って、僕自身が直接ベトナム語での会話の練習相手となって現在のベトナム語のレベルを判断したりどんな弱点があるのかを見つけたりするというのはできないので、こういう場合はより一層生徒さんの学習ログをベースにした聞き取りに力を入れる事で、今後どういう練習を積んでいくべきなのかを探る事になります。

ちょうどお医者さんの問診みたいな感じですね。

「ここをこう動かすとどれくらい痛いですか」
「1日何時間同じ姿勢でイスに座り続けていますか」
「運動は週何回していますか」
「普段夜何時ごろに寝て、朝何時ごろに起きますか」

のようないろんな質問を投げかけ、その答えから相手の状況をなるべく正確に推測し、その上で対策を練り、「ここをこうしてはどうでしょうか」と提案を出し、それを実行していただく。

このように普段の英語学習者へのレッスンと比べてよりコミュニケーションの重要度が増したのですが、西村さんの質問はしっかりとしていて、どんな事を聞こうとしているのかの意図がちゃんと伝わってくる内容だったので、こちらとしてはやりやすかったです。

西村さんはご自身の体験談の中で自分の質問の事を「レベルの低い質問」と表現していますが、僕はそうは思いません。彼の質問は、

・自分の現在の状況
・現時点で何を達成しようと考えているのか
・その目標達成の障壁となっているものは何か

などの背景情報を十分に提供し、その上で「どうすればよいですか」と聞いてくるという内容です。僕はこれを「低レベルな質問」とはみなしません。(本人は謙遜しているのかもしれませんが、ここは敢えてマジレスします)

「本当の低レベルな質問」とは、どうしようもないほどボンヤリしたものをそう呼びます。例えば、これは僕自身の話ではなく他の北欧ブログを書いている日本人から聞いた話なのですが、この人の所にはよく北欧移住希望者から問い合わせが来るようで、中には答えようのない質問もあるそうです。例えば、

「こんにちは。私も北欧に移住したいです。どうすれば移住できますか?」

みたいなやつ。

いやいや、まず自分のバックグラウンドを知らせてくれよとw

現時点でどんなスキルや経験があるの?
貯金はどれぐらい用意してあるの?
英語や現地語などの語学力は?
どんなルートで移住しようと思ってる?現地就職?国際結婚?

などなど、こういう情報を先に提供せずにただ単に「どうすれば北欧に移住できますか」とだけ聞かれたって、答える側も答えようがないんですよね。だってこれらの背景情報によって質問への答えはいくらでも変わるんだから。

でも、そうじゃなくてちゃんと「良い質問の型」ができている人に対して「ググレカス」みたいな態度で一蹴するのはおかしいと思う。僕はきちんとした質問をしている人には徹底的に丁寧に答えるのがむしろ当たり前だと考えています。

僕は語学に加えてプログラミング界隈にも足を突っ込んでいる身なのですが、IT系の質問投稿サイトを覗いてみると、このようなちゃんとした質問をしている人に対してまで「ググレカス」的な対応をする人を少なからず見かけます。僕自身も自分が質問を投稿した時にそのような高圧的な態度を取られた事が何度かあり、非常に腹立たしいw

僕は自分の語学独学講座では「ググレカス」的な対応を極力しないように努めていますが、そこにはプログラミング界隈でたまに見かけるそういう「意地悪な先輩たち」を反面教師にしていた、という側面もあったのでした。

それから、語学において上達のペースは人それぞれなので、僕はよくバラエティ番組とかで見かけるような「3か月以内に〇〇達成!」みたいな事もやりません。日本では大学受験のための詰め込み・ガリ勉的な勉強スタイルが未だに一般的に行われていますよね。このような短期間でのガリ勉で実際に急激に力をつける人もたしかに一定数いますし、そのやり方が合っている人はそのやり方でやればいいと思いますが、これって全員が全員ガリ勉すればいいって話でもないんです。

僕自身、高校卒業直後は日本語しか喋れませんでしたし、英語圏の大学の授業を字幕なしで普通に理解できるような英語力になるには本当に長い時間をかけてじっくり力をつける必要がありました。当時は速くて複雑な構文の英語が全く聞き取れない時期が続き、「自分の英語力はもうこれ以上は伸びないのかな」と思った事は何度もありました。これはスウェーデン語もフィンランド語も同じですし、プログラミングにおいてはさらに大きな絶望感をさらに高頻度で味わっておりますw

もちろん人によって得意不得意はあるので、プログラミングのが簡単で語学のが難しいと感じる人もいるでしょう。ただ、得意不得意というのは「学習スピードが速いか遅いか」の問題なので、正しい努力の方向性で時間を余分にかければ誰だってできるようになります。

僕はエンジニア系のオンラインコミュニティにも参加していますが、ここの上位層の人たちと比べると僕のプログラミングの上達は明らかに遅いです。でも冷静に客観的に自分の学習内容を振り返ってみると、一応前進はし続けている。西村さんのおっしゃる通り、他人と比べて急いでも必ずしもいいとは限らないのですね。大事なのは少しずつでもいいから自分自身が前進し続ける事。学習活動全般に言える最重要項目ですね。

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