いやー、気が付けば前回のブログ更新から丸2か月経っていましたね。
僕はこの秋からオーランド大学の2年生になっており、授業が始まってからは去年の同じ時期よりだいぶ忙しくなってしまい、課題のために土日を費やす事が多くなりなかなかブログが書けませんでしたが、最近ようやく少し余裕が出てきました。
さて、久しぶりにブログを再開したからには、「あ、そういえばあの時のアレってどうなってたん?」というような、忘れかけてたネタを書こうかな~と思います。
だいぶ前に
「フィンランドの大学の新入生歓迎会に参加したら、ひょんな事から変な虫に刺され(噛まれ?)、病院に行くハメになってしまった話」
を書きましたが、ブログ立ち上げ当初から読んでくださっている読者の皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか?
(最近このブログを知ったのでまだ読んでいない、または「そんな昔の事なんか覚えとらんがな」という方は、下の関連記事もどうぞ)
【関連記事】
関連記事Page20の「フィンランドでの医療費負担についてのお話」で、当時は「僕は単なる学生としてフィンランドの在留許可を発行してもらってたので、フィンランドの国民健康保険では僕の医療費はカバーされないが、スイスの民間の保険会社に入っていたので、そちらの方で対応できないか確認中」と書いていました。でその後の展開なのですが、今回のブログ記事のタイトルの通り、この会社はすんなり保険金を出してくれず、気が付けば7か月にも及ぶ長期戦になってしまったのでした。
以下にその時の事について詳しく書いていきます。
最初は比較的まとも(?)な対応
当時病院に行ったり、処方された薬を薬局で買ったりして、約80ユーロの出費になったのですが、これは持病によるものではなく、「事故によって生じた健康被害」だったので、保険の対象になるのではないかと思い、契約していたスイスの保険会社に以下のようなメールを送りました。
2017年11月11日僕:「先日変な虫に刺されてしまい、患部が赤黒く変色してしまったので、医者に行きました。医者には感染症の可能性があるかもしれないからと抗生剤を処方され、その結果約80ユーロの出費になってしまいました。この費用は保険でカバーできないでしょうか?」
するとその2日後には保険会社から返事が来ました。
2017年11月13日保険会社:「ご連絡ありがとうございます。費用が保険でカバーされるかどうかは、必要書類を一通り記入して提出していただき、審査が通るかどうかによって決まります。」
ふむ。2日以内に返事が来たし、ちゃんと質問にも答えてくれているので、対応としてはまぁマトモと言っていいと思います。しかし、この後からだんだんと対応が怪しくなってくるのでした。
2017年11月13日僕:「お返事ありがとうございます。医療費カバー申請のページを見ると、『全ての書類はお客様のご負担で英語に翻訳する事』と書かれているのですが、少し気になる点があるので確認させてください。僕は現在フィンランドのスウェーデン語圏に住んでいるので、医者からの診断書や薬局でのレシートなどは全てスウェーデン語となります。ここでいう『お客様自身の負担で翻訳』とは、プロの翻訳者に頼んで英語に翻訳するという事ですか?」
「書類は英語に翻訳すべし」とあったのですが、ここで気になるのが「翻訳作業を翻訳のプロにお願いしなければいけないのかどうか」という事です。ここで申請して取り戻したい医療費は80ユーロなので、もし書類の翻訳をプロに頼まなければならず、しかもその費用が80ユーロを上回っていた場合、「80ユーロを取り戻すために80ユーロ以上を支払う」という、なんのこっちゃ状態になってしまうからです。
しかし、翌日保険会社からは次のような返事が来ました。
2017年11月14日保険会社:「必要な書類は全て、英語に翻訳されるようお願いいたします。」
ってオイ!
「英語に翻訳する必要がある」のは既にわかっとるんじゃ!
「プロに頼む必要があるのかどうか」を聞いとるんじゃ!
質問に答えんかい!(# ゚Д゚)
そこでさらに突っ込んだ質問をしてみました。
2017年11月14日僕:「翻訳内容が正確でありさえすれば、翻訳のプロに頼まずに僕が自分でスウェーデン語を英語に直してもいいですか?」
そして3日後に保険会社の返答。
2017年11月17日保険会社:「どうぞ英語に翻訳した書類をご提出ください。その後は、審査担当に書類を確認させ、他にまだ何か書類が必要であれば連絡させるようにいたします」
一応OKっぽい感じなので、自分で書類を全てスウェーデン語から英語に直す事に。そして翻訳が完了したら、元のスウェーデン語での書類と一緒に英訳も提出しました。もちろん普段は大学の授業も課題もあったので、それをこなしながら空いた時間で英訳作業をしていたので、翻訳が完了して書類提出できたのはそこから約2週間後でした。
2017年11月29日僕:「書類が一通り揃いましたので提出させていただきます。審査のほどよろしくお願いします」
と、このように指定された書類を提出したのですが、この後保険会社から連絡が全然来ないという状況が続くのでした。
保険金不払いの常套手段「今忙しいんですぅテヘペロ」作戦
1週間以上たっても返事が来ないので、ひとまず催促のメールを送りました。
2017年12月10日僕:「審査の結果がわかるまでにはどれぐらいかかりますか?」
そこからさらに約2週間。ようやく保険会社から返事が来ました。
2017年12月23日保険会社:「必要書類のご提出ありがとうございます。ただいま書類を精査しているところでございまして、まもなく状況のアップデートをお送りいたします」
「まもなく」とか言ったわりには、そこから一向に音沙汰無し。
約1か月後、痺れを切らした僕は再度催促のメールを送りました。
僕:「あれから1か月が経ちましたが、何も聞いておりません。せめて現状がどうなっているのかの報告だけでもしていただけないでしょうか?」
そしてそれから4日後の保険会社の返答。
2018年1月28日保険会社:「現在審査中ではございますが、予想だにせぬ仕事量により現在作業が遅れております。ご不便をおかけしております事、お詫び申し上げます」
「予想だにせぬ仕事量」って何だよw
そこから更に待つこと1か月。やはりこの保険会社からは何の連絡もありません。
「ちょっといい加減にしてくれませんか」的なオーラを漂わせたメールを書いてみる。
僕:「あれから更に1か月が経ちましたが、やはりまだ何も聞かされておりません。最初に書類を提出した時から見て、もう既に3か月も経っておりますが、こちらに入った唯一の返事は『予想だにしていない仕事量により作業が遅れている』という事だけです。そもそも僕の書類はちゃんと審査にかけてもらえているのでしょうか?」
このちょっとイライラ気味なメールを送っても、保険会社からは返事こーず。
また更に1か月ぐらい経ったし、もう1回催促メールを送ってやろうかと思いきや、ちょうどそのタイミングでついに向こうからメールが来ました。
保険会社:「ご不便をおかけしまして本当に申し訳ありません。できるだけ早く処理できるように努めます。」
まだ終わってなかったんかーーーーい!!!!
なんという事だ。もうこれで4か月ですぞ。他にもいろんな客の対応とかをしていて忙しいかもしれないのはわかるが、僕だって大学の授業で忙しい中でも少しずつ翻訳作業をして書類をスウェーデン語から英語に直したのだぞ。いくらなんでも遅すぎではないのか?
そこから2週間後、もう1回催促をしてみる。
2018年4月16日僕:「すみません、状況に何も進展はないのですか?」
この催促メールを送った後ですら、保険会社からは何も連絡なし。
再度催促メールを送る。
僕:「3月の段階で、もう3か月も待たされているという事をお伝えしました。そして今から1か月前の4月に、進捗を聞かせてもらえないかとメールでお願いしたのですが、それに関しては返事をもらえていません。もうかれこれ合計で5か月も待たされていますが、僕の医療費カバーの申請が通ったのか却下されたのかすらも聞かされておりません。どうか、どうか現在の状況の報告をしていただくようお願いします。」
このメールさえもシカトされた僕は、ついにさらに踏み込む事にしました。
必殺の切り替えし「乗り換えまっせ」戦法
2018年5月25日僕:「もうこれまでに何度も何度も状況のアップデートをお願いしているのですが、未だにまともに返事をもらえていません。僕のメールがちゃんと届いているのだろうかと疑いたくなるほどです。さて、ここでお伝えしておきますが、僕は既に他の保険会社と連絡を取り合っています。貴社との保険契約は1年間であり、もうじきその契約期間が満了となりますが、状況次第では貴社との契約の更新はせず、他の保険会社に乗り換えさせていただきます。そうなれば、貴社と保険契約を結ぶ事はもう二度とないでしょう。」
するとどうでしょう。今まで1か月以上も人のメールを平気でシカトこいてた連中が、「他の保険会社に乗り換えられるかも」という危機感を抱いた途端に返事をしてきたのです。
2018年5月29日保険会社:「ご連絡ありがとうございます。まず最初に、作業の遅れ、ご不便をおかけしております事、大変申し訳ありません。お客様にかかった医療費、30ユーロ、17ユーロ23セント、32ユーロ7セント、合わせて79ユーロ30セント分の3枚の領収書、確かに受け取っております。これらの書類の審査の後、この79ユーロ30セントをお客様の銀行口座に払い戻しさせていただきます。」
ようやく
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
…………。。。。
でもちょっと待てよ。
保険会社からのメールをよくよく見てみると、
「審査の後、払い戻しをする」
としか書いてないではありませんか。誰が見てもはっきりとわかるように「審査は完了いたしました」とは書かれていないし、審査が本当に終わったかどうかはこのメールからだけではわからないです。
返事が来た事で一時的に浮かれていた僕でしたが、数日後にこの事に気づいてハッと我に返り、ここから更に追い打ちの催促メールを送りました。
2018年6月1日僕:「お返事ありがとうございます。先日のメールでは『審査の後、払い戻しをする』と書かれていましたが、これは審査はまだ終わっていないという事でしょうか?見てお分かりのように、これはYesかNoで答えられる2者択一の質問なので、かならずYesかNoのどちらかで答えてください。まずは質問に対する答えがYesなのかNoなのかを明らかにした上で、必要であれば背景や詳細を補足してください。文章内にYesもNoも含まない答えは曖昧さを生む原因となりますので、そのような返答はしないようにしてください。以前のメールでもお伝えしましたように、何度も何度も催促のメールを送っているのにもかかわらず、これまで6か月以上もの間まともな返答をもらえていませんでした。今回こそは明瞭な回答がもらえるものと期待しております。」
そして再度沈黙する保険会社w
この期に及んでまだ終わっとらんのか??????
でもここで追い打ちを中止する僕ではありません。
再度催促。
2018年6月11日僕:「先日送った質問にまだ答えていただけていません。YesかNoのシンプルな質問なので、早急に返事がいただけるものと期待します。」
するとその2日後についに返事がきました。
2018年6月13日保険会社:「保険金は既にお客様の銀行口座に届いているはずです。2018年4月2日付で銀行送金を済ませてあります。お客様の銀行口座のご確認をお願いします。」
5月29日に「審査が終わり次第送金します」と言っておきながら、6月13日になって「4月2日には既に送金していました」という矛盾した謎の発言をする保険会社w
念のためこの保険会社に登録しておいた銀行の口座をチェックすると、本当に79ユーロ30セントが払い戻しされてました。
今度こそ、
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
豆知識&持論
さてさて、医療費カバーの申請をしたのが2017年の11月で、実際にお金が戻ったのが2018年の6月。実に7か月にも及ぶ保険会社とのバトルがついに終わりました。いやぁ長かったですねぇー。
そうそう、そういえば最後らへんに僕は
「これ以上こんな不誠実な対応をするようなら他の保険会社に乗り換えっぞ!!」
と保険会社にプレッシャーをかけましたが、実はこのメールを送った6月1日よりも前の5月17日の時点で既に他の保険会社(←オランダの会社)との間で
「僕がその気になれば即刻このオランダの保険会社と保険契約を結べる」
という所まで確認済みでした。これはこのスイスの保険会社に他の保険会社への乗り換えをチラつかせる前までにやっておくべき必須の作業でした。なぜなら、もしこのスイスの保険会社に
「あっそう。乗り換えたければ乗り換えれば?」
という態度を取られた場合、他の保険会社に本当に乗り換えられる事が確認できていなかったら、場合によっては
「後になってわかったけど他の保険会社には乗り換えができなかった(他にマシなのがなかった)」
↓
「スイスの保険会社に『すいません、やっぱり契約延長してください』と泣きつく」
とかいうカッチョ悪い事になるリスクがあるからです。
「乗り換えっぞ!」と脅しをかける以上は、やろうと思えばいつでも本当に乗り換えられるように事前に準備をしておくべきなのです。
また、保険会社がこちらに保険金を払う可能性がまだ残っている場合は、あくまで
「他の会社に乗り換えるかもしれないよ」
と可能性をチラつかせるまでに留めておくのが得策です。ここで
「もうこんな保険会社なんか知らん!絶対に他の会社に乗り換えるって決めたからな!」
みたいに「完全に固まった方針決定」を相手に示すと、
「あぁ、この客はもうどのみち他の会社に流れちゃうんだから、ここで一生懸命『保険金払いますから』と下手に出て引き留める意味ないな」
と思われ、逆に向こうから見放される危険があります。
もちろん世の中のすべての保険会社がこーゆーしょーもない仕事ぶりしかしていないわけではないのでしょうが、実際に事故があった時に本当に保険金が払われるまでは、その保険会社が真っ当な仕事をする会社なのか、セコイ手を使って客に保険金を払わない事で利益を上げているインチキ保険会社なのかはわからないわけですから、基本的には
「保険会社とは自分たちが客に保険金を払わずに済むためにはどうするかを考えているものである」
と常に想定しておき、こちらもそれを考慮に入れた上で行動するのが得策だと思います。
ちなみに、今回の僕の保険会社とのバトルはスイスの保険会社が相手でしたが、ちょっとググってみたら日本の保険会社もいろいろと叩かれてるみたいですねー。
一応会社名は伏せ字にはなっているものの、あまり伏せ字の体をなしてないからほとんど実名公表も同然な状態です。
興味のある方はこちらから↓
https://matome.naver.jp/odai/2143116104396786701
まぁとにもかくにも、セコイ手を使って責任を果たそうとしない連中には泣き寝入りをせず、できる範囲でいいので食らいつくべきだと思いますねー。泣き寝入りする人が減り、不正を追及する人が増え、セコイ手を使ってもどうせ追及され続けて最後には追い詰められるという事がわかっていれば、こういうしょーもない手法を使う組織も減ると思いますし、長い目で見ればそれが社会全体のためなのだと思います。
世の中の理不尽に立ち向かうには、
そして、
以上、
久々の投稿 & 「あの時のアレってどうなった?」 & 懐かしのシーン
でした~。