よく巷では、
「フィンランド語を習得するのはメチャクチャ難しい」
と言われます。
フィンランド人たちのほとんどは英語ペラペラだから、彼らは既にフィンランド語が上手な相手でない限り、外国人相手に話す時は「英語のが楽だから」という理由で即英語に切り替えてきます。そのため、特に初心者は仮にフィンランドに住んでいたとしてもその辺のネイティブを相手にフィンランド語を話す機会はなかなかありません。
また、フィンランド語そのものが他の言語と比べて難しい、というのもあります。文法は超複雑。日本語の文法も複雑だとはよく言われますが、フィンランド語の文法はもっとなのだとか。僕のフィンランド人の友達のうちの1人には日本語とフィンランド語を両方話せるポーランド人の友達がいるそうなのですが、そのポーランド人によると、
「フィンランド語の文法の方が日本語よりさらに難しい」
そうです。
そんな「超難しい」フィンランド語ですが、それをむしろ
「いや、フィンランド語なんて意外と簡単なんだよ。」
とネタにした、
Ismo Leikola
というフィンランド人のコメディアンがいます。
彼曰く、
「これさえ知っていれば会話の9割は成り立つ」
という超便利なフレーズが1つあるというのです。それは、
ノニーン(No niin)
です。
実際にそのネタを披露している動画がありましたので、今日はそれを紹介しようと思います。動画のすぐ下に日本語訳もつけときます。
なんでも、フィンランド語って世界で最も難しい言語のうちの1つらしいですね。
「世界の難しい言語トップ5」にも入るほどなんだとか。
でもこれ、僕にはちょっとよく理解できないんですよね。だって実際にはそんなに難しくないんだから。
だって、ただテキトーに喋ればいいだけでしょ?
子供の頃の僕でもできましたよ。
(0:20)
だからこれがもしそんなに難しいんだとしたら、それはたぶん教え方に問題があると思うんです。
だって、最初に教えられるのっていつもこんなんばっかり。
アッラティービ、エッラティービ、イッラティービ、ウッラティービ…
(↑フィンランド語に存在する「格」の種類の名前。でもこの中には実際には存在しない、その場でテキトーにでっち上げたものもある)
こんな意味不明な言葉ばっかり並べられても、そりゃわかるわけないですよ。
(0:40)
フィンランド語のフレーズを学ぶ時にしたって、教えられるのは例えば、
「電車の駅はどちらですか?」
とか。
こんなの文としては長すぎるし、一生に一回使うかどうかでしょ。
特に初心者とかは、こんなやり方で勉強し始めてもダメなんですよ。
まずはフィンランド語において最も重要なフレーズから先に覚えなきゃ。
(1:02)
そう、万能に使える単語を。
どんな状況でも使えて、自分の生活に関係のあるフレーズです。
言ってしまえば、これぞ実用度ナンバーワンって単語ですよ。
まだ知らないという人も大丈夫ですよ、教えてあげますから。他の何よりも大事なフレーズです。
これに比べたら、2番目に重要な単語なんてもはやどうでもいいぐらいのレベルですよ。
(1:20)
それぐらい使い勝手のいい表現なんです。
フィンランド語における鍵と言ってもいいぐらい。
それではそれが何なのかを教えましょう。
ノニ(Noni)。
(↑ノニーン(No niin)が短くなったもの)
これさえあれば、フィンランド語の会話の90%は成立しますよ。
そうなんです。ホントにそう。
本当に便利ですよ。
(1:40)
例えばこんな感じです。
「これから喋り始めますね」
→ノニーン(Noniin)(では)
他にも誰か他の人に喋り始めて欲しい時も、
ノニーン(どうぞ)。
他にも、指を間違って切っちゃった時とかにも、
ノニ…(しまった…)。
他にも、ギャーギャー騒いでうるさい子供に対しても、
(2:01)
ノニ!(コラ!)
他にも、牛乳をこぼしちゃった時に、
ノニ…(はぁ、やれやれ…)
他にも、「ほら、僕の言った通り!」と言いたい時も、
ノニ―!(その通り!)
他にも、「こんな事が起こるなんて思わなかった」と言いたい時も、
(2:21)
ノニ。(マジで?)
晩御飯ができた時も、
ノニ―!(ディナーだよー!)
晩御飯を食べ終わった時も、
ノン二ー。(ごっそーさん)
お客さんが来た時も、帰っていく時も、
ノニ、ノニ。
お客さんがなかなか帰っていかず、ちょっとウザったくなってきた時も、
(2:41)
ノッニーン…。(そろそろ出てってくんないかなぁ…。)
外出中、長蛇の列に遭遇してしまった時も、
ノニーン…。(またかよ…。)
んで、その列に並んでて、列がもうちょっと速く前に進んでほしい時、
ノニ~ン!(早くぅ~!)
(3:02)
そしてようやく自分の番が回ってきた時、
ノニーン!(よっしゃ!)
なんて便利な言葉なんでしょう!
ホント、素晴らしい。
他にも、男性が夜中に完全に酔っぱらって帰ってきた時、玄関で奥さんが怒って
(3:22)
ノーニ―。
「今日は何も飲まないって約束じゃなかった?」
ノニーン。(そうだった。)
これ1つで攻めにも守りにも使えるという。
(3:39)
「何で飲んじゃったの?」
「え、だって友達が一緒に飲もうって…だから…」
ノニーン!(いいよ!(って))
「ノニーン」って、「乾杯!」って意味でも使えるんですよ。
それから、フィンランド人がセックスに関してそれを言葉に出さないようにって時、こんな感じなんですよ。
(3:59)
こんな感じで考えてる。
ノニーン。(よし、行くぞ!)
それから「出ちゃった」時とか、
ノニーン?(あれ、もう?)
僕が最初に「ノニーンが最も重要なフレーズだ」って言った時、何人かの人たちは疑ってたんじゃないですか?
(4:21)
「いや、そんなはずないだろ」とか思ってたでしょ?
でもそんなあなたたちも、今となっては
ノニーン(そうだね)
ってなってますよね。
いやぁ、ホント便利だ。
【日本語訳ここまで】
というわけで、非常に便利なフィンランド語
「ノニーン」
でした。
みなさんもフィンランドにお越しの際は、言葉に困ったらとりあえず
「ノニーン」
と言ってみてはいかがでしょうか?(^^)?
(ただしその結果何が起こってもその処理は自己責任でお願いしますw)
では、今回はこのへんで!
ノニーン!