アイルランドの結婚式に参加してきました

2018年8月7日。

アパートに戻りポストをチェックすると、日本から郵便物が届いていました。差出人は10年来の友人のゆうへい。彼とは大学時代に参加した約1か月間のカナダ語学短期研修の時に知り合い、大学卒業後もお互いの都合が合えばちょくちょく会っていました。

彼は以前イギリスでワーキングホリデーをしていた事があり、その時にできた彼女と結婚する事になったのだとか。挙式場所は彼女の故郷であるアイルランドに決まり、ちょうど僕も今フィンランドに住んでおり一応ヨーロッパ在住という事で、「参加できそうだったら来てくれないか」と声をかけてもらえていたのでした。


結婚式の詳細確認

早速ゆうへいに詳細確認。聞く所によれば、結婚式の会場として使うお城には結婚式前日と当日の9月14日(金)と15日(土)に泊まる事ができ、空港とお城の間の移動は車で送り迎えしてもらえるらしいので、アイルランド現地ではお金は必要ない事が判明。

実際、当日はアイルランド国内では1ユーロたりとも使いませんでした。(←アイルランド経済に何の貢献もしてない入国者w)

「ご祝儀は用意しなくて大丈夫だけど、フィンランドのムーミングッズを持ってきてくれたら妻がめっちゃ喜ぶ(←大のムーミン好きらしい)」と言われたので、早速スーパーに行った時に手頃そうなものを買っておきました。さすがフィンランド。その辺のスーパーに行くだけでムーミンコーナーがあるのですね~。

Blackwater castleまでの道のり

ここで読者の皆様の中には、

「同じヨーロッパ内のフィンランドからアイルランドに行くだけなんだから、けっこう近場っしょ?」

とか思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そうはいかないんですねぇー。

一口にヨーロッパといってもそれはそれは広いもので、ヨーロッパのどこからどこへ行くのかによってその所要時間はピンキリです。

僕はフィンランド在住とはいってもオーランド諸島という島で暮らしているので、まず島から出るにはフェリーに乗らなければいけません。下の図のように、フェリーで2時間半ほどかけてスウェーデンのカペルシャーという港まで行きます。

次に、カペルシャーからバスに乗り、ストックホルム中央駅に1時間半ほどかけて向かいます。

そこからさらにストックホルム・アーランダ空港行きのバスに乗り1時間弱。

つまり、

オーランド諸島マリエハムン港からフェリーで2時間半、
カペルシャーからストックホルム中央駅までバスで1時間半、
ストックホルム中央駅から空港までバスで1時間弱、

マリエハムンの港からストックホルムの空港に来るだけでも5時間ぐらいはかかるのです。

そして、今回の結婚式の会場となるBlackwater castleはアイルランドのコーク空港から車で1時間ほど。空港に着きさえすれば後は車で送迎してもらえるので、StockholmからCorkまでの往復の航空券を購入しました。

まさかの足止め

アイルランドのコーク空港へはイギリスのロンドン空港を経由するので、まずはロンドン行きの飛行機に乗ります。

ストックホルム・アーランダ空港には夕方5時ちょっと前ぐらいに到着。
最初のロンドン行きの飛行機が夜7時40分に出発予定なので、十分に時間に余裕を持った空港到着でした。普通に搭乗手続きは特に何事もなく進み、飛行機に乗り込んだのですが、何故か予定時刻の19:40を過ぎても飛行機が動き出す気配がありません。

すると機内放送が流れました。

「乗客の皆様にお知らせいたします。機体への受信信号にエラーが含まれており、このままでは離陸できません。ただいまトラブル対処をしておりますので、今しばらくお待ちください。」

一応この飛行機は飛んだ事は飛んだのですが、結局予定時刻よりも40分遅れての出発。さてここで僕は困った事になりました。僕はこの後予定時刻の夜9時15分にロンドンに着いたら夜10時15分出発のコーク行きの飛行機に乗る予定だったのですが、40分遅れるとなると、乗り継ぎ時間が20分しかない事になります。普通は飛行機の乗り継ぎは1時間でも短い方で、ロンドン空港に着陸した時点でコーク行きの飛行機の離陸時間まで20分しか残ってなかったら乗り換えはまず無理です。

どうすんじゃ~と思ってたら、ロンドン空港着陸20~30分前になって、客室乗務員が僕に話しかけてきました。

客室乗務員:「ロンドンからアイルランド行きの飛行機に乗り換えるお客様ですか?」

僕:「はい、そうです。」

客室乗務員:「大変申し訳ありませんが、このままでは乗り継ぎに間に合わないので、こちらで代わりの便を手配させていただきます。機体を降り空港内に入られましたら、5階の弊社のサ―ビスデスクにお越しいただき、代わりの便の時間や今晩のホテルの手配などの詳細についてはそちらでご確認いただきますようお願いします」

おぉ、なかなか気が利くではないか(^^)

今晩アイルランドの空港でゆうへいの結婚相手のお父さんが迎えに来てくれる予定だったから、とりあえずは予定変更を伝えてもらうようにゆうへいに連絡。ゾロゾロと降りてくる客たちで混雑した夜のロンドン空港内の5階のサービスデスクまでは時間がかかったが、なんとかたどり着いたぞー。

と、思ったら、

サービスデスク、閉まっとるやないけ!!!!

ガビーン(((( ゚Д゚))))

フロアは真っ暗。人はほとんどいない。当然、僕の翌日のフライトと今晩のホテルを用意してくれるはずのスカンジナビア航空のデスクに行っても誰もいません。

しばらくすると航空券を買う時に登録しておいた僕のメールアドレスに翌日早朝発のフライトの詳細が送られてきました。これでとりあえずアイルランド行きの切符は確保できたが、それまでどうしよう。自分でホテルを予約しようにも、泊まれそうな場所が見当たらない。

仕方ない、空港のその辺で寝るか。

実は僕は空港で寝るのは今回が初めてではありませんでした。以前アメリカ、カリフォルニアのサンディエゴからニューヨークに飛行機で行こうとしていた時、急に街中が停電になって飛行機が飛ばなくなったという事件に巻き込まれた事があり、その時もサンディエゴ空港の床とかベンチとかで一晩過ごしました。

そういえば先日10月19日に新幹線が止まって、東京駅で客が駅員に「ふざけるな」とか怒鳴りつけるというトラブル

(参考記事)
東京駅で怒号も 東京―博多で新幹線が一時運転見合わせ→駅員にキレてもしょうがない

があったそうですが、サンディエゴの時は僕の周りのお客さんたちはみんな

「あっそうっすか」

みたいなあっさりとした感じでさっさと寝床を探してました。

中には折り畳み式のベッドで寝てた剛の者も2~3人いて、

おぉ(笑)
こんなものどっから出したんだ?なんて用意のいいこと……(^^;)

と、むしろお客さんたちの逞しさに関心してしまったのでした。

ちなみに折り畳みベッドはこんな感じ。

そんな経験もあったので、空港で一晩寝るぐらいなんでもねーやと思っていた僕は、その辺の手頃なベンチを探して寝て、途中で目が覚めたら無理に同じ姿勢で寝ようとせずにちょっと動いて、寝たくなったらまた寝る、という事を繰り返してやり過ごしました。

結婚式当日

そして翌日。今度は無事に飛行機が飛び、午前11時ごろにコーク空港に到着。荷物を拾って少し待ってると、お迎えが来てくれました。

空港から車で約1時間。昼の12時ごろに結婚式会場であるBlackwater castleに着きました。式は午後2時からなので、一応間に合った!

そしてお城の中の奥の方の部屋に行くと、そこにいたのはゆうへいとその結婚相手のタラちゃん!(英語表記はTara)

タラちゃんとは会うのは今回が初めてではなく、僕がまだ日本にいた頃に東京で会った事がありました。(2人はイギリスで出会ったのちに東京に引っ越した)

僕は日本にいた時も東京には住んではいないのですが、当時(2017年3月時点)はオーランド大学に出す願書に加えてスウェーデン語力の証明もしなければならず、そのテストが東京でしか受けられないからわざわざ当時勤めていた会社から有休をいただいて東京に来ていたのでした。で、せっかくだから僕のスウェーデン語のテストが終わった後に会おうという事になり、そこでゆうへいには久しぶりに、タラちゃんとは初めて会って一緒に飲みに行ったのでした。

ゆうへいともタラちゃんとも直接会うのはそれ以来。
久しぶりに会う友達ってやっぱりなんか懐かしくていいもんです。

日本からの参加者は、ゆうへいのご両親とお兄さんとその奥さん、それから彼がイギリスワーホリ時代に知り合った友達。日本以外からはタラちゃんの親族や友人で、イギリス、アメリカ、デンマーク、ドイツなど多国籍。
日本人の参加者がやたら少ないのは、やはり地理的に遠いというのと、職場で長期休暇を取るための理解が得られず、参加したくても来られない人が多いという事でしょうか。

結婚式はお城の中ではなく外で行われました。式自体は20~30分ぐらいと日本のものと比べて短く、式辞でも所々笑いが起こったりなどとだいぶカジュアルな感じでした。

お二人の晴れ姿がこちら。

ちなみに、光栄な事に僕はGroomsmenの内の1人に選んでもらえたため、式の最後に2人に指輪を渡す役を担当させていただけました(^^)

ちなみにGroomsmenとは、こちらのWikipediaの記事によると、

A groomsman (North America), or usher (British Isles) is one of the male attendants to the groom in a wedding ceremony. Usually, the groom selects close friends and relatives to serve as groomsmen, and it is considered an honour to be selected.
「Groomsman(北米での呼称)、またはUsher(ブリテン諸島での呼称)とは、結婚式で新郎に付き添う男性の事である。通常、新郎は親しい友人や親族の中からGroomsmenを選び、また、選ばれる事は光栄であるとされる」

だそうです。

また、Groomsmenの女性版はBridesmaidsといいます。

式が終わったらその後は歓談の時間。途中食事の時間や、夜には踊りたい人にはダンスホール&ミュージックも用意されていましたが、ほとんどの時間は歓談が占めます。

こういうのは夜の2時とか3時とかまで続くらしいのですが、僕は月曜日からは普通に大学の授業があるし課題もやらなければいけないため、日曜日のうちにオーランドのアパートに戻れるようにする必要がありました。なので、夜の9時ぐらいには翌日出発のための荷造りに取り掛かってました。

下の飛行機の旅程の通り、帰りは日曜日の朝7時20分にロンドン行きの飛行機が出発するので、お城から空港までかかる時間を計算に入れると朝5時ぐらいにはお城を出発しておきたい所。

空港からお城まで来る時はタラちゃんのお父さんが迎えに来てくれましたが、今度はお母さんが空港まで送ってくれる事になりました。朝4時45分ごろ、お母さん既に準備万全。

空港←→お城の送り迎えを車でやってもらえていたのは僕だけではなく他の参加者たちもそうだったそうで、その度に何度も空港とお城を往復していたタラちゃんのお父さんとお母さん、本当にお疲れ様です。頭が下がります。

空港に着いたら即チェックインに並び、チェックインを済ませたらカフェや売店などで何も買う事なく飛行機の搭乗口に向かう僕。結局最後までアイルランド経済には1ユーロも貢献せずに立ち去ります。

空港で日本人に話しかけられる

アイルランド・コークからイギリス・ロンドンへ。そしてロンドンからスウェーデン・ストックホルムへ。今回は滞りなく飛行機も乗り継ぐ事ができ、ストックホルム・アーランダ空港に無事に突きました。

スウェーデンの入国審査で並んでいると、後ろから1人の日本人女性から声をかけられました。スウェーデンには大学院の共同研究のために来ており、他のメンバーとはストックホルムから北に70㎞ほど離れたウプサラで現地集合のため空港へは1人で来たのだそうな。スウェーデンに来る前にはイギリスにおり、今回日本を出て2週間ぐらいした所で久しぶりに日本人を見かけたから声をかけたくなったのだそうです。

スウェーデンに来るのは初めてだったそうで、僕が現在フィンランド在住でスウェーデンにも何回か来たことがあるという事を知ると、スウェーデンの事でいろいろと聞かれました。道行く人は親切かとか英語はその辺の一般人相手だと実際どれぐらい通じるのかとか。

時間がお互い時間があったのと、その場の流れで昼食をご一緒する事になり最後には連絡先の交換までいきました。

うーむ、そういえば前にもこういう事あったな。オランダの空港で乗り継ぎの飛行機を待ってたら、やはりいきなり後ろから日本人女性から声をかけられたのでした。しかもその時のご用件は「携帯の充電させてもらってもいいですか?」で、オランダ用の変換プラグを持ってなかったので僕のパソコンにUSBをぶっさしてそこ経由で充電する、というものでした(僕は全世界対応の変換プラグを持ってた)。その人とも話の流れ的にその後食事をご一緒する事になって、最終的には連絡先の交換までいきました。

これは近い将来どっかで3人目と出会うかもしれませんな。次はもしかしてヘルシンキの空港あたりかなー?

弾丸スケジュール終了

この日出会った日本人女性とは午後4時ちょっと前ぐらいまで話しており、そこからバスで1時間ほどかけてストックホルム中央駅へ。午後6時にはカペルシャー行きのバスに乗り、午後8時にはオーランド行きのフェリーに乗り込みます。乗船時間は2時間半ですが、スウェーデンとフィンランドの時差の関係でマリエハムン港に着くのは夜の11時半。そこからアパートへ向かい、日付が変わってからたどりつきました。

友達の幸せな瞬間に立ち会えてよかったし楽しかったけど、やっぱりこういう弾丸スケジュールは移動が疲れる~。

誰かマリエハムン空港から格安で各地への直行便飛ばしてくれないかなー?