Page 61:フィンランドのオートロックは締め出しのデメリットしかない件

僕はフィンランドのオーランド諸島に来たのが2017年の8月だったので、このブログ記事を書いている時点で、こちらに移り住んでから約1年半が経った事になります。1年半というとそんなに大して長い期間ではないですが、この「たった1年半」の間に、僕が知っているケースだけでもオーランド諸島内では6件の「オートロック締め出し被害」が起こっています。しかもそのうち5件は僕が住んでいるアパートで発生しているという高確率w

あ、ちなみに僕は1回も締め出された事はありませんよ。締め出しなんて目に遭うなんて超怖いですから、外出の際は徹底的に確認してからドアを閉めます。ポケットを触って「うん、鍵入ってるね」とかいう程度のレベルではなく、実際に鍵を鍵穴にさして鍵がちゃんと回るかどうかを確認してからドアをガチャっと閉めます。ここまでを「考えなくても体が勝手にやっちゃう」レベルの「ひとかたまりのルーティーン」にしちゃいます。

こういうルーティーンを作っておかないと、たまに「実際には鍵を持っていないのに『持ってる』と思い込んだままドアを閉めてしまい、時すでに遅し」みたいな状況ができてしまう可能性があると思います。だから「ルーティーンが崩れた時点で何かがおかしい、気持ち悪い」となり、仮に鍵を持っていない状態で外へ出たとしても、ドアを閉める前に一呼吸おけるように日ごろからしておくのです。

このように自分は直接の被害には遭ってはいないものの、建物のドアはオートロックが当たり前のフィンランドで、こうも何度も何度も身近に締め出し事故が起こると、ついつい思っちゃうんですよねぇ。

「オートロックってむしろ無い方がよくね?」

と。

以下に僕の身近な締め出し被害6件の状況と、なぜ「少なくともフィンランドでは」オートロックは無い方がいいと思うのかを書いていこうと思います。

 

《コンテンツ》
・締め出し被害その1
・締め出し被害その2
・締め出し被害その3
・締め出し被害その4
・締め出し被害その5
・締め出し被害その6
・締め出し被害番外編
・オートロックの存在意義って?

 

 【締め出し被害その1】 

1件目の被害は僕の1人目のルームメイトです。ちなみに僕が住んでいるアパートの部屋は2人部屋で、これまでにルームメイトは2回替わっており、このブログ記事を書いている時点でのルームメイトは3人目です。(1人目はヘルシンキでの長期インターンのために出ていき、2人目は夏休みの2か月間のみの入居だった)

僕が現在住んでいるアパートの部屋はキッチンとバスルームは共同、ベッドルームは個室となっています。外から帰って来る際、自分のベッドルームに入るには鍵を2回使わなければなりません。リビングエリアに入るための玄関のドアを開ける時、それから自分のベッドルームの鍵を開ける時です。ベッドルームのドアもオートロックになっているので、自分の部屋に鍵をおいたままキッチンエリアに出てきてベッドルームのドアを閉めてしまうと、「リビングにいながら締め出しに遭う」という何とも情けない状態になってしまいます。んで、ちょうどこれがこの1人目のルームメイトの締め出し被害の状況だったんですね。

僕の鍵では彼のベッドルームのドアは開かないので、こりゃアパートのメインオフィスに電話するしかないかなと思ったのですが、彼には名案があるとの事。

「ドアはうっかり閉めてしまったが、窓は開けっぱなのでそこから侵入できるはず」

と、リビングの窓から出て(窓のすぐ外は建物の屋根で、幅は広く足を挟んでしまうような隙間もないためけっこう安定しているw)、彼は無事コソ泥のように窓から自分のベッドルームに侵入し、

「ヒューッ」

と胸を撫で下ろしたのでした。

 

 【締め出し被害その2】 

2件目の被害はまたしても当時の1人目のルームメイトです。その時僕はジムでウエイトトレーニングの最中だったのですが、なんかやたらと僕の携帯が鳴り響いているではありませんか。時間内に出れなくて留守電になっちゃったと思いきや、すかさず第二弾のコールが鳴り響き、「なんだなんだ?」と思いながら着信元を見てみると、電話の主は彼でした。

「アパートを出る時に鍵を忘れていってしまったから、部屋に入れない」

との事。

またかよw

「今アパートから離れた場所にいるから、戻るのに何十分かかかっちゃうけど大丈夫?」

と前置きをし、彼の待つアパートへ。

今回彼は自分のベッドルームのドアは開けっ放しにしており、リビングに入るための最初のドアさえ開けてやれば入れるという状態だったので、僕の鍵でもなんとかなりましたが、これでもし彼のベッドルームのドアも閉まっていたらまた面倒なことになる所でした。

 

 【締め出し被害その3】 

ある日、僕の部屋の玄関のドアをやたらとノックする音が聞こえてきました。ドアの向こうにいたのはちょうどこの時期オーランド大学に2、3か月ほど交換留学に来ていたオランダ人の女の子。

「あのぅ、いきなりごめんなさい。突然呼び出しちゃって…」

と、女の子はやけに恥ずかしそうにモジモジしながら僕に話しかけてきます。

えぇ、ナニナニ?何これ?何、このラブコメっていうかなんていうか、テレビで見たような「体育館裏の告白」みたいな展開は?(^^)?

と思いながらキョトンと聞いていると、この子、どうやら鍵を自分の部屋に閉じ込めてしまったそうです。でも窓は開けっ放しにしてあったから(←またかよw)、僕の部屋のリビングの窓を使って外の屋根に出て、そこをつたって開けっ放しの自分の部屋の窓から入りたいのだとか。こうして今度は隣の部屋の住人の「コソ泥作戦」にまで協力するハメになってしまいました。

 

 【締め出し被害その4】 

夏休み中にマリエハムン市内で友達に会っていた時の事。この日は他にもう1人友達が来る予定だったのですが、その人のルームメイトが鍵を家の中に忘れたまま外に出てしまい家に入れないので、それを助けるために僕との待ち合わせに向かっていた所を急遽Uターン。遅刻してきました。まあただ友達同士で集まってってだけなので、別に遅れてもどうという事ではありませんが。

 

 【締め出し被害その5】 

外出からアパートに戻り、部屋の鍵を開けて入ろうとしたその時、後ろから僕を呼ぶ声が。振り返るとそこにはITの学部のクラスメート。鍵を部屋に閉じ込めてしまい入れないので、アパートのメインオフィスに電話をするために携帯をちょっと貸してほしかったらしいです。電話しても誰も出ないので彼は直接オフィスまで走って行くことに。もしこれで何とかならなかったら再度ヘルプを求めに僕の部屋のドアをノックしにくると言っていましたが、結局終日ノックは聞こえてこず。数日後にはアパート内で彼と普通にバッタリ会ったので、たぶんあの後何とかなったんだと思います。

 

 【締め出し被害その6】 

僕の3人目のルームメイトです。1人目のルームメイトの1回目の締め出しの時と同じく、自分のベッドルームに鍵を閉じ込めてしまったが窓は開けっぱだったので、リビングの窓から外へ出て、屋根をつたって侵入するという、もはや定番の「コソ泥作戦」。

 

 【締め出し被害番外編】 

上記の6件の締め出し被害は僕が住んでいるフィンランドのスウェーデン語圏のオーランド諸島で夏に起こったのですが、今から紹介するのはフィンランド本土のフィンランド語圏で冬にあったケースです。

締め出し被害に遭ったのは女の子2人。サウナに入って、お酒も飲んでおり、酔いをさまそうと思って外に出た時に鍵を持ってくるのを忘れており、家の中に入れずに冷凍室監禁状態に陥ったという。サウナに入っていたので服装は裸にタオル1枚を巻いているだけであり、そんな格好で鍵を持たずに真冬のフィンランドで家の外に出るとはもはや自殺行為に等しい。鍵は持っていなくても何故かスマホは持っていたらしく、つながるまで何度も外出中のルームメイトに電話しまくり、ルームメイトがそれに気づいて急遽予定を切り上げて駆けつけてくれたおかげで間一髪助かったそうです。これ、もしルームメイトが電話に出てなかったら凍死コース決定でしたね。

 

 【オートロックの存在意義って?】 

さてさて、こうして見てみると、やっぱりフィンランドではオートロックって無い方がいいんじゃないかなーと思えてきます。

そもそもオートロックって、鍵の閉め忘れをなくしてセキュリティのレベルを上げるのが本来の目的のはずなのに、住人自身が鍵を忘れて締め出しに遭うようでは本末転倒です。それに、上記の例では

「ドアは閉まってしまったけど窓は開けっ放しにしてあった」

というケースも少なくなく、ドアがロックされてても他が開いているんだったら全然セキュリティ強化になっとらんじゃないかと思うのです。

オートロックって、ホテルとかみたいに「締め出しに遭ってしまってもすぐにマスターキーで開けてもらえる」という「24時間体制の保険」が利いているからこそ安心できるのであって、それができないようであれば、

「泥棒に入られにくくなる事」

よりも

「あちこちで締め出し被害に遭う人が出てくる事」

の影響力の方がよっぽど大きいんじゃないかと思います。

フィンランドでは(少なくともオーランド諸島では)、アパートのメインオフィスは基本土日は休みですし、平日でも午後4時とかには閉まっちゃうので、電話をかけても誰も出ません。さらにこれが夏とかのバケーションの時期になると、メールを送っても

「ピロリロリーン♪ただいまバケーション中で留守にしてます♪」

とかいう自動返信がすかさず返ってきます。
こういう返信だけは音速で返ってくるという。

日本ではお正月の時期にお餅を喉に詰まらせて亡くなってしまう人がたまにいらっしゃるようですが、フィンランドではそれ以上に

「冬に締め出しに遭ってしまって凍死する人」

がいるんじゃないかなぁ。(特にサウナに入ってる人)

僕はたぶん締め出しには遭わないと思うけど、なんだかんだでオートロックってやっぱりメンドクサイので、普通の鍵のドアにしてくれないかなーと思っております。