北欧5か国の移住難易度比較!僕がフィンランドを選んだ理由

僕はこのブログの記事で何度か「北欧への移住を目指している」という事を書いていますし、実際2019年8月のこの記事執筆時点では、移住の足掛かりとしてフィンランドで学生やってます。

※追記※
2021年7月末にフィンランド移民局から正式に就労許可が下り、これにより「単なる学生」から「労働者」としての北欧移住を成功させました✨
そこに辿り着くまでの道のりをまとめた記事もありますので、興味のある方はこちらもどうぞ

北欧には

フィンランド
スウェーデン
ノルウェー
デンマーク
アイスランド

の5か国があるのですが、今回の記事ではその中でも僕がなぜフィンランドを選んだのか、各国の情報を簡単に紹介しながら説明していきます。


前提:基本的に北欧に移住できるならほぼどこでも良かった

まず前提として、僕の場合は北欧に移住できるならほぼどこでも良かったというスタンスでした。そもそも北欧がなぜ僕にとって移住先として魅力的だったのかというと、

・社会全体で腐敗が少なく、社会福祉が手厚い
・治安が良い
・英語が広く通じる
・ワークライフバランスが良く、生活水準も高い
・国民の階層意識が非常に薄く、上下関係が緩い

などの特徴を兼ね備えていたからです。個人的には、こういう社会だったら移民として入り込んでも快適にすごせるだろうなと思っていましたので。

これらの特徴は基本的に北欧5か国とも全部当てはまります。治安については一部例外的な区域はあるものの、大体は当てはまる。

なので、ぶっちゃけ上記のような条件が揃った国だったら、僕的には別に北欧以外の国でもありなわけです。実際、オランダとかエストニアもいいなーと思ってましたし、英語圏の国でもカナダあたりはけっこう健全な社会構造してるし、なくはないなと。フィンランドの大学卒業したらそのまま現地就職を目指してますが、もしフィンランドでの就職に失敗したら、もしかしたらエストニアとかカナダあたりを狙うかもしんないです。

北欧移住の方法を考える前に、移住しやすさを調査すべし

自分にとって「大体同じような魅力」をどの国も持っている以上、どの国を移住先のターゲットとして定めるかは、おのずと

「実際に移住できる可能性が高そうかどうか」

が基準となってきます。最初にも書いたように僕はフィンランドを選んだのですが、そこに至るまでには北欧5か国の間の様々な違いを考慮に入れていたのでした。

僕が北欧5か国それぞれの移住難易度を推し量るために主に注目したのは次の4つのポイントです。

[1] 移民法の厳しさ
[2] 学費の問題
[3] 入学できる学部
[4] 現地就職の可能性


北欧移住で考えるべき点1:移民法の厳しさ

これは北欧に限らず、どこの国への移住を目指す場合でもそうなのですが、その国の移民法がどうなっているのかは事前に調べておくべきです。地理的に近かったり、公用語が同じまたは似通っている国々でも、一歩国境をまたいだだけで全くルールが変わるなんて事はよくあるからです。

北欧も例に漏れずそう。北欧諸国はどの国でも「北欧的な文化や価値観」はたしかに共有してますが、移民法の観点で見れば全く別の国々と認識した方がよいでしょう。

で、僕の頭の中の「独り北欧移住作戦会議」では、ここで真っ先にデンマークが移住先の候補から脱落しました。なぜって、デンマークだけは例外的に移民法が鬼のように厳しいからです。

労働ビザが滅多な事では出ないのはもちろんの事、現地人との結婚ですらこの国の永住権取得は無理ゲーだと言われています。実際、僕の知り合いの日本人にはデンマーク人と結婚した人がいるのですが、彼女はデンマークではなく、その隣国スウェーデンのデンマークとの国境近くに旦那さんと一緒に住んでいます。それだけ移民法が厳しいからです。で、旦那さんの職場はデンマークなので、毎日国境を越えて出勤しているという。

この人の住んでいる地域には、デンマーク人と結婚はしたがデンマークに移り住めないがためにここに住んでいる、という似たような境遇の人がたくさんいるらしく、デンマークの移民法がいかに厳格であるかが伺い知れます。

以前

という記事で、

北欧の言語は文法的にそれぞれどれぐらい手ごわいかというのを紹介し、その時は

スウェーデン語の文法の手ごわさのイメージが

フィンランド語の文法の手ごわさのイメージが

という事になってましたが、

移民法の厳しさに関しては、確実にデンマークが

です。

北欧移住で考えるべき点2:学費の問題

僕は北欧への移住を狙って行う場合、学生として入国するのが最初の足場固めとして一番確実な方法だと考えています。先ほども紹介したようにデンマークは例外として、北欧の人と結婚すればたしかに一足飛びで北欧に移住できます。が、日本にいながらにして北欧の人と出会い、さらには結婚にまでこぎつけるのはそうそう狙ってできるものではありません。

北欧の労働ビザをゲットしていれば、これも結婚と同じく一気に移住できますが、基本的に労働ビザはいきなりは出ません。北欧とつながりのある自国の会社にまず入社して、そこから北欧の支社に飛ばしてもらい……というケースもなくはないですが、これもなかなか狙ってできる事ではないでしょう。

なので、最も自分の未来を自分の努力で切り開きやすいのが、「まずは学生として現地に潜り込む」という選択肢なのですが、これはこれで難点がいくつかあります。その1つが学費の問題です。

北欧は自国民やEU国籍を持つ人間であれば学費無料で大学で勉強できるというケースがほとんどですが、EUの外から来た外国人に関しては必ずしもそうはいきません。昔は外国人にももっと広く門戸が開かれていたのですが、ここ最近世界的にどの国でも右傾化が進んでいて以前ほど外国人を歓迎しない傾向があり、北欧も例外ではないのです。

スウェーデンは2012年あたりにEU圏外からの学生からは授業料を取るようになりましたし、フィンランドも僕がちょうど北欧上陸をする事になっていた2017年から「英語で授業が行われる学部に関しては、EU圏外の学生を授業料徴収の対象とする」と大きく方針転換してしまいました。

年間の学費は学部にもよりますが大体日本円で100万円ぐらい。

4年間も毎年そんなに払えるかーーーー(((# ゚Д゚)))!!!

(↑松田トバッチリ)
画像元:少年ジャンプ・大場つぐみ/小畑健『DEATH NOTE』第12巻

という事で、なんとしても学費無料の大学に入ろうと思ったのでした。(またはあれば学費格安のトコでも可)

この時点でスウェーデンも選択肢から除外され、残りは

・大学でも大学院でも、現地語で勉強しても英語で勉強してもEU圏外の外国人でも学費無料のノルウェー
・現地語であるフィンランド語またはスウェーデン語でならEU圏外の外国人でも学費無料のフィンランド
・学費は徴収するが、学部によっては年間20万~30万円ぐらいで済むかもしれないアイスランド

に絞り込まれました。

北欧移住で考えるべき点3:入学できる学部

僕は以前

の記事でも書いたように、

「学生ビザで乗り込んで、大学卒業後もそのまま現地に残って就職しやすい学部はやはりIT系だろう」

と考えていました。

IT業界は世界的にどこもプログラマーの需要に対して供給が追いついていない状態なので、プログラミングのスキルを身につければ、他の業界と比べて就職のハードルがグンと下がります。

ノルウェーは大学でも大学院でも、英語で授業を受けてもノルウェー語で授業を受けても、EU国籍保持者であるかどうかに関わらず一律学費無料で教育を受けさせてもらえるので、かなり魅力的でした。

ただし、ノルウェーの大学のIT系の学部を見てみると、入学条件として既にIT系や数学系のバックグラウンドを持っている事を求められる所ばかりで、文系出身の僕的には

「これ、俺には無理なんじゃねーか?」

と思ったものです。

もっと粘って調べれば文系出身でもノルウェーでITを勉強する道はあったのかもしれませんが、この時点で僕はいったんフィンランドの情報収集に力を入れるようになったのでした。

北欧移住で考えるべき点4:現地就職の可能性

北欧で大学に正規留学している場合、卒業後の現地就職の方法は主に大きく分けて2通りあります。

1つは、普通にネット上などで空いているポジションに応募して採用されるという方法。

もう1つは、インターンシップから入り、そのままその職場で採用してもらうという方法です。

基本的に、前者は即戦力系の人材が求められ、後者は企業側の「長い目で新入社員を育成していこう」という姿勢が垣間見えるシステムとなっています。

最初から高いスキルを持っていない人が学生ビザで入国して後々の現地就職を狙う場合、インターンシップを通して仕事にありつくというやり方の方が確実性が高いと言えるでしょう。

そこで僕は、最初から学部のプログラム内にインターンシップが組み込まれていて、しかも外国人でも学費が無料で、さらにIT系や数学系のバックグラウンドがなくてもIT系学部に入学できる所はないか探すことにしました。

そこで出てきたのがフィンランド・オーランド諸島のオーランド大学だったのです。

このオーランド大学、「職業訓練学校」的な位置づけの教育機関であるという所も僕にとっては魅力的でした。フィンランドには「大学」は2種類あり、それぞれ

Yliopisto
Ammattikorkeakoulu

となるのですが、Yliopistoはアカデミック要素の強い「大学」であり、Ammattikorkeakouluは特定の分野での就職の準備を前提とした「職業訓練学校」的なカリキュラムとなっています。

海外の大学プログラムは必ずしも良心的なものばかりではなく、中には留学生からは金をむしり取るだけむしり取ろうという意図が透けて見えるような所もあります。酷い所だと年間の学費だけでなくインターンシップまで追加で参加料金を払わせ、いざ留学生が卒業するとなると

「はい、これまで高い学費払ってくれてありがとう。じゃあ、もう(学費を納めてもらうという)用は済んだから国に帰ってね」

みたいな態度で現地就職させる気はなく、留学生を金づるとして見ているような所もあるのですが、外国人も学費無料で学べるフィンランドのAmmattikorkeakouluタイプの大学であればそのような心配はないだろうと思いました。

国民の税金で外国人にも無料で教育を施すシステムであれば、留学生を卒業後に国に帰すよりも、そのまま現地に残って地元企業に就職してもらい、「良き納税者」になってもらった方が費用対効果があるってモンですからね。

まとめ

僕は「フィンランドのスウェーデン語圏であるオーランド諸島に住んでいる」というと、日本人にもフィンランド人にもスウェーデン人にも必ずといっていいほど

「どうやってオーランド諸島なんて珍しい所に行きついたの?」

と不思議がられるのですが、ここまで説明してきた条件を全て満たす所ってもはやここしかないぐらいだったのですね。例えばもしノルウェーの大学でIT系や数学系のバックグラウンドがなくても入学できて、しかも英語で授業が受けられるIT系学部があれば、たぶんそっちに行ってたと思いますし。

アイスランドについては、恥ずかしながらちょっと調査不足(つまり努力不足)な段階で候補から外しちゃいましたねー。「もういいや」的な。メッチャいい国な印象なんですけど、ネットで事前に調べられる情報がどうしても少ないのです。粘ればもっといけたかもしれないけど、既に見つけたフィンランドのオーランド諸島がなかなか良さそうだったから、それ以上探さずに「よし、ここに決ーめた」ってな感じで。

あと、フィンランドの場合は現地に既に友達が何人かいて、現地の生の声をある程度事前に聞く事ができていたというのも僕的にはけっこう大きかったですね。

僕はなんだかんだでけっこう心配性で、いくらよさそうな所でも事前に情報があまりない状態で飛び込んでいくのはけっこう怖いので。アイスランド人の友達が何人かいたら、アイスランドももっと本腰入れて調べてたかもしれません。

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