こうして僕はフィンランドで仕事をゲットしました(サマージョブ編)

僕は現在フィンランドの大学のIT系の学部で勉強していますが、タイトルにもあります通り、

仕事をゲットしました\(^o^)/


サマージョブって?

フィンランドに限らず、北欧の国々には一般的に「サマージョブ」と呼ばれる、主に大学生がやる仕事があります。
文字通り、大学の夏休みに相当する期間限定で募集される仕事です。
つまり夏休みが終わったらまた学生生活に戻るという事です。

その性質としては、半分は日本の大学生がやるようなバイトのようなものでもありますが、もう半分はインターンシップのような役割もあります。

学生側からしたら、

・お金が稼げる
・職業体験が積める

企業側からしたら、

・学生は安い給料で雇える
・将来戦力になってくれる有望な学生が発掘できるかもしれない

というメリットがあり、基本的には企業側と学生側の利害関係が一致している構造になっています。

そして、サマージョブには大きく分けて

・自分の大学の学部と関係のある仕事
・自分の大学の学部と関係のない仕事

の2種類があります。

前者は、例えば僕の場合はIT系の学部なので、IT系の企業での仕事がこれに該当します。

後者は、工場での24時間シフトのライン作業、ブルーベリー摘み、クリーニングの仕事などです。

で、今回、僕は前者の「自分の大学の学部と関係のある仕事」、つまりIT系企業でプログラミング関連の仕事をゲットしました。

僕的にはこれはけっこう

「してやったり」

な感があります。というのも、外国で

「キャリアにつながる仕事」

をゲットしたのはこれが初めてだからなんですね。

僕は以前オーストラリアでワーキングホリデーをした事があり、そこでもほぼ1年通していくつもの仕事をやってきました。具体的には、

・セールスマン(訪問販売)
・キッチンハンド(シェフのお手伝い。食材の準備、キッチンの掃除、皿洗い等)
・オレンジ農家での仕事

などです。

日本人のコネは一切使わず、当然仕事の応募や面接も全て英語で行ってゲットした仕事です。しかしこれらは、

「仕事内容がキツいから自国民(オーストラリア人)がやりたがらない仕事」

であり、オーストラリアにおいては外国人である僕でも参入しやすい業界でした。しかもこれらの仕事をいくらやっても、じゃあそのキャリアが日本に戻ったり他の国にいった時に就活でそのまま使えるかというと、使えないです。(もちろんそこで得た経験は貴重なものですが、それはまた別の話)

それに対し、今回は現地語のスウェーデン語で面接をしただけでなく、ちゃんと大学の学部の勉強内容と関連度の高い仕事に就けました。現地で聞いた話によると、場合によってはサマージョブの仕事先にそのまま正社員として就職できる事もそれほど珍しくないらしいですし、僕的には一歩前進です。

もちろん、オーストラリアでも、ここフィンランド・オーランド諸島でも、仕事をゲットした職場以外にも複数の仕事に応募して落とされた事も何回もあります。

そこで今回は、僕の

「就活がうまくいった時といかなかった時では何が違うのか?」

に焦点を当てていきます。

採用の秘訣とは…目立て!

あくまで僕の体験を基にした僕の個人的な意見ですが、どうしたら採用されやすいか?といえば、

目立て!

の一言に尽きると思います。

振り返ってみると、落とされた時はなんだかんだでやっぱ目立ってなかったのかなーと。

もちろん、「面接の態度が悪い」とか、悪い形で目立ったら落とされますよ。ですがその一方で、目立たないのはそれはそれで問題なのです。なぜなら、目立たないという事は

「印象に残らない」

という事であり、

「積極的に落とされはしない」

けど、

「積極的に選ばれもしない」

からです。

これは、競争率が低い場合であればそんなに問題にはならないでしょう。10人空きがある所に11人が応募してきたら、一番ダメな奴が1人落とされるだけです。こういう場合は「特に可もなく不可もなく目立たない事」は不利には働きにくい。

でも、2人分しか空きがないポジションに20人が応募してきたら、「積極的に選ばれる」ための要素が必要になってきます。

それこそが

(いい意味で)「目立つ事」

なのです。

ではどうやって目立つべきか?僕の考えでは、

・即戦力系
・伸びシロ系

の2種類があります。

以下にもう少し詳しく解説していきます。

どうやって目立つか?→即戦力系

即戦力系は、文字通り

「この人を雇えばすぐにうちの会社で利益を上げてくれるだろう」

と認められて採用される事です。

僕はオーストラリアでセールス会社の面接を8社受けてその内4社から内定をもらったのですが、2つ目の会社の面接で使った戦法がまさにこの「即戦力系のイメージを与える事」でした。

この会社の面接は1人ずつ部屋に呼ばれるのではなく、30人近くの応募者が1つの部屋に集められて一度に行われました。集団面接ってやつです。

応募者たちはコの字型に並ばされ、端の人から順番に自己アピールをして、それに対し面接官がそれぞれ質問やコメントを入れる、というスタイルでした。

僕以外の応募者は全員「普通の喋り」をしていたのですが、その中で僕1人だけが

「以前別のセールス会社で勤めていた事があるので、そこでのセールストークを披露させてもらってもよろしいでしょうか?」

と、自らセールストークを見せると名乗りを挙げたのです。

すると面接官は

「いいねぇ!見せて見せて!じゃあ僕、お客さんの役やるよ!」

とノリノリになってくれて、僕と面接官のロールプレイ形式でセールストークをやったら、終わる頃には面接官と他の応募者全員から拍手喝采まで起こったのでした。

しかし、この即戦力系のアピールにはリスクもあります。それは実際に採用されたら本当に即戦力としてすぐに成果を上げないと総スカンを喰らうという事です。

僕、実際に喰らいました _| ̄|○

当時のボスに、

「あの面接の時の君は一体どこへ行ってしまったんだ?君には本当に失望したよ。ベリーディッサポインテッドだ。

てな感じにド叱られました。
というわけで、ハッタリかましすぎないように気を付けましょう。

僕のこのオーストラリアのセールス会社での話に関しては、僕の旧ブログ

『ショーンのヒーハーな毎日 in Australia』

にもっと詳しく書かれているので、興味のある方は下記のリンクからどうぞ。

ヒーハー24:2つ目のセールス会社(後編)
ヒーハー29:Disappointed

どうやって目立つか?→伸びシロ系

2つ目は、これも読んで字のごとく、

伸びシロですねぇー!

です。

「即戦力にはならないかもしれないけど、いずれ貴重な人材に成長してくれそう」

という印象を相手に与える、というものです。

僕は今回のフィンランドでのサマージョブはこちらの方法でうまくいきました。

どうやって「伸びシロな雰囲気」になったかというと、

「まず、あなた自身について簡単に話してください」

と、面接時に改めて自己紹介を求められたので、

「シンイチです。1年半ほど前にオーランド諸島に日本から直で引っ越してきました」

てな感じで始めました。すると、

「日本から直で???じゃあスウェーデン語はどうやって覚えたの?」

と聞かれたので、

「日本にいた時から勉強してて、独学で覚えました」

と答えました。すると、

「何ぃーーー???一体どうやって???」

と食いついてきたので、このように付け加えました。

「以前僕はTEFL(Teaching English as a Foreignl Language)という英語教授法を勉強していた事があるのですが、英語を教えるための理論を自分のスウェーデン語の独学に応用しました。最初はうまくいかなかったんですが、いろいろ試行錯誤して語学独学のコツを掴んだんです」

更に、

「基本的に、新しい事を学ぶのが好きです。こちらに来る前はプログラミングは未経験だったのですが、オーランド大学のIT科に入学するより前に自分でC言語を勉強してました。その時仕入れた知識のおかげで、1年生の時の最初のプログラミングの授業のProgramming 1の内容はスムーズに理解できました」

と補足。面接担当者には

「勉強熱心なんですね!」

という好印象が残ったようです。

で、今回はオーストラリアのセールス会社の時のようにハッタリぶちかましてたわけではなく、プログラミングは本当に大学で勉強してたし、履歴書に載せた

「経験のあるプログラミング言語、およびそれぞれの言語はどれぐらいのレベルで扱えるか」

の項目も誇張していません。

「C言語…ターミナルベースでチェスや将棋のゲームを作れるぐらいのレベル。Java…ほぼ同じようなチェスをグラフィックベースで作った経験あり etc」

みたいに、具体的に何を作ったかを書く事で、面接官に

「この学生の現在のプログラミングのスキルはこれぐらいのレベルかな」

という大体のイメージができあがります。

こうして、この面接は結構いい感じの手ごたえで進んだのでした。

面接担当者の方の話によると、書類選考の時点で5名に絞り込まれており、その5人を面接に呼んで最終的に採用するのは2人だそうです。で、先日その2名のうちの1人に選ばれました!というメールが届いたのですね。ありがたやありがたや\(^o^)/

盛り込むとよさげなキーワード

今回、僕が履歴書や面接で結構意識的に使っていたキーワードがあります。それは

・〇〇を応用して
・新しいものを学ぶ
・試行錯誤した経験

などです。

僕はハッキリいって今のレベルではプログラマーとしては即戦力とは言い難いでしょうから、面接官に

伸びシロですねぇーー!!

と感じさせる必要があります。

なので、上に挙げたような、

「応用」
「学ぶ」
「試行錯誤」

みたいな単語は刺さりやすいのです。もちろん口先だけではダメで、実際にこのようなキーワードを裏付ける実体験も持っている必要があります。そこは日ごろからの努力ですね。

ただし、こういう話は自分から

「あのね、あのね、聴いてください!僕ね、こんなに頑張ってるんですよ!」

みたいに話し出さない方がいいと思います。聞かれてもいないタイミングでこういう事をグイグイ話しまくると、

「押しつけがましい、かまってちゃん」

みたいな印象を与える危険があるからです。

僕が「英語教授法の理論を応用して北欧言語を独学で覚えた話」や「新しい事を学ぶのが好きで~」みたいな話をベラベラと喋ったのは、あくまで相手が興味を示し、今まさに聞きたがっているというタイミングだったからであり、相手が興味を示していない時には

「これを聞いてほしいから!」

とかいう、自分だけの都合で喋るのは避けた方が無難だと思われます。

何か質問はありますか?

日本の企業の就活だと、面接の終わりがけに

「最後に、何か質問はありますか?」

と、応募者から会社側に対して質問はないかと促される事がよくありますよね。

これ、今回僕が面接に呼んでもらえたフィンランドの会社でも聞かれました。

たぶんこれの対応としても、決まり切ったテンプレ台詞よりも、

「他の応募者はこういう質問はしてこないだろうな」

みたいな質問を1つ2つできるとよいと思います。つまり、

「個性を感じさせつつも、非常識ではない質問」

です。

僕の場合、フィンランドでは外国人扱いとなるので、それに絡めた質問をすればいいので結構簡単でした。例えば、

「EU国籍を持たない学生がこの会社で働く時、フィンランド人を雇う時と比べて何か事前に追加でしなければいけない登録作業や用意しなければいけない書類などってあるのでしょうか?」

みたいな質問です。これに関しては、面接官からも

「ああ、それはあまり考えてなかったです。いい質問をしてくれましたね」

と言ってもらえました。

とまあ、以上が僕の今回のサマージョブゲットの一部始終です。

何か質問はありますか?

もし気になる事があれば、

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