Page 62:「最も便利なフィンランド語のフレーズ」、ノニーン(No niin)

よく巷では、

「フィンランド語を習得するのはメチャクチャ難しい」

と言われます。

フィンランド人たちのほとんどは英語ペラペラだから、彼らは既にフィンランド語が上手な相手でない限り、外国人相手に話す時は「英語のが楽だから」という理由で即英語に切り替えてきます。そのため、特に初心者は仮にフィンランドに住んでいたとしてもその辺のネイティブを相手にフィンランド語を話す機会はなかなかありません。

また、フィンランド語そのものが他の言語と比べて難しい、というのもあります。文法は超複雑。日本語の文法も複雑だとはよく言われますが、フィンランド語の文法はもっとなのだとか。僕のフィンランド人の友達のうちの1人には日本語とフィンランド語を両方話せるポーランド人の友達がいるそうなのですが、そのポーランド人によると、

「フィンランド語の文法の方が日本語よりさらに難しい」

そうです。

そんな「超難しい」フィンランド語ですが、それをむしろ

「いや、フィンランド語なんて意外と簡単なんだよ。」

とネタにした、

Ismo Leikola

というフィンランド人のコメディアンがいます。

彼曰く、

「これさえ知っていれば会話の9割は成り立つ」

という超便利なフレーズが1つあるというのです。それは、

ノニーン(No niin)

です。

実際にそのネタを披露している動画がありましたので、今日はそれを紹介しようと思います。動画のすぐ下にフィンランド語スクリプトと日本語訳もつけときます。

 【フィンランド語スクリプト・日本語訳ここから】  (※約20秒ごとに印をつけときます※)

Mä oon kuullu jossain tämmösen väitteen että suomen kieli on maailman yks vaikeimmista kielistä oppia,
なんでも、フィンランド語って世界で最も難しい言語のうちの1つらしいですね。

tää ois ihan niinku top 5 maailman vaikempien kielien joukossa.
「世界の難しい言語トップ5」にも入るほどなんだとか。

Ni, mä en kyllä ihan voi käsittää kun eihän tää oo niin vaikeeta.
でもこれ、僕にはちょっとよく理解できないんですよね。だって実際にはそんなに難しくないんだから。

Helppoohan tää on, jorisee menemään vaan.
だって、ただテキトーに喋ればいいだけでしょ?

Pienenä osasin jo ihan hyvin tätä.
子供の頃の僕でもできましたよ。

(0:20)
Siis, jos siinä on, jos se on jotenki niin vaikee se oppiminen niin sitten siinä opetusmetodissa on joku vika.
だからこれがもしそんなに難しいんだとしたら、それはたぶん教え方に問題があると思うんです。

Koska eikö suomee lähetä opettamaan aina jostaki, se lähetää aina jostaki,
だって、最初に教えられるのっていつもこんなんばっかり。

allatiivi, ellatiivi, illatiivi, ullatiivi, pallitiivi, kullitiivi, pillutiivi,
アッラティービ、エッラティービ、イッラティービ、ウッラティービ…
(↑フィンランド語に存在する「格」の種類の名前。でもこの中には実際には存在しない、その場でテキトーにでっち上げたものもある)

jostain tämmösistä ihme tiitivisteistä, puolet tiputtaa heti pois kärryiltä. Siis eihän tommosta tajua kukaan.
こんな意味不明な言葉ばっかり並べられても、そりゃわかるわけないですよ。

(0:40)
Tai sitten lähetään jostain että
フィンランド語のフレーズを学ぶ時にしたって、教えられるのは例えば、

“missä on rautatieasema?”
「電車の駅はどちらですか?」

とか。

Helvetin pitkä kysymys, ehkä kerran elämässä tarvii tommosta.
こんなの文としては長すぎるし、一生に一回使うかどうかでしょ。

Että, eihän tämmösistä pitäs lähtee kieltä opettamaan,
特に初心者とかは、こんなやり方で勉強し始めてもダメなんですよ。

vaan kieltä pitäs lähteä opettamaan siitä mikä on suomen kielen tärkein sana,
まずはフィンランド語において最も重要なフレーズから先に覚えなきゃ。

(1:02)
mikä on koko kielen ykkössana
そう、万能に使える単語を。

jolla pärjää kaikissa tilanteissa, joka on monipuolisin, monimerkityksisin,
どんな状況でも使えて、自分の生活に関係のあるフレーズです。

koko kielen oikeestaan pääsana.
言ってしまえば、これぞ実用度ナンバーワンって単語ですよ。

Jos ette tiedä niin mä voin kertoo, se on ylivoimasesti,
まだ知らないという人も大丈夫ですよ、教えてあげますから。他の何よりも大事なフレーズです。

siis, kakkossana, toiseks tärkein sana on kaukana kaukana takana.
これに比べたら、2番目に重要な単語なんてもはやどうでもいいぐらいのレベルですよ。

(1:20)
Tää on ylivoimasesti suomen paras,
それぐらい使い勝手のいい表現なんです。

koko kielen ydinsana.
フィンランド語における鍵と言ってもいいぐらい。

Oikeista niin. Ja voin kertoa mikä se on.
それではそれが何なのかを教えましょう。

Noni.

ノニ(Noni)。

(↑ノニーン(No niin)が短くなったもの)

Sillä pärjää yhdeksänkymmentä prosenttia keskustelusta.
これさえあれば、フィンランド語の会話の90%は成立しますよ。

Se, se on se. Se on ihan.
そうなんです。ホントにそう。

Se on hirveen käyttökelpoinen
本当に便利ですよ。

(1:40)
No niin, se tarkoittaa esimerkiksi se tarkoittaa että
例えばこんな感じです。

“minä alan pitämään puhetta”
「これから喋り始めますね」
→ノニーン(Noniin)(では)

Ja se tarkoittaa että nyt on sitten jonkun muun vuoro puhua.
他にも誰か他の人に喋り始めて欲しい時も、

ノニーン(どうぞ)。

Ja se tarkoittaa että minun sormeen tuli haava.
他にも、指を間違って切っちゃった時とかにも、

ノニ…(しまった…)。

Se tarkoittaa että lapset, lopettakaa riehuminen.
他にも、ギャーギャー騒いでうるさい子供に対しても、

(2:01)
ノニ!(コラ!)

Ja se tarkoittaa että nyt se maito sitten kaatu
他にも、牛乳をこぼしちゃった時に、

ノニ…(はぁ、やれやれ…)

Ja se tarkoittaa että mitä minä sanoin.
他にも、「ほら、僕の言った通り!」と言いたい時も、

ノニ―!(その通り!)

Ja se tarkoittaa että en ois ikinä aavistanut näinki voi tapahtua.
他にも、「こんな事が起こるなんて思わなかった」と言いたい時も、

(2:21)
ノニ。(マジで?)

Se tarkoittaa että ruoka on nyt valmista.
晩御飯ができた時も、

ノニ―!(ディナーだよー!)

Ruoka on nyt syöty.
晩御飯を食べ終わった時も、

ノン二ー。(ごっそーさん)

Vieraat tuli, noni. Vieraat meni, noni.
お客さんが来た時も、帰っていく時も、

ノニ、ノニ。

Vieraat ei lähe, mutta isäntäväki toivoo että ne voi pikkuhiljaa alkaa lähteä.
お客さんがなかなか帰っていかず、ちょっとウザったくなってきた時も、

(2:41)
ノッニーン…。(そろそろ出てってくんないかなぁ…。)

Meet johonki, ja sit huomaat että siellä on valitettavasti pitkä jono
外出中、長蛇の列に遭遇してしまった時も、

ノニーン…。(またかよ…。)

Sitten seisot sinä jonossa, ja yrität ilmasta et sen jonon pitäisi liikkua vähän nopeammin.
んで、その列に並んでて、列がもうちょっと速く前に進んでほしい時、

ノニ~ン!(早くぅ~!)

(3:02)
Ja sitten ku on vihdoinkin oman vuoro.
そしてようやく自分の番が回ってきた時、

ノニーン!(よっしゃ!)

Se on niin mahtava sana.
なんて便利な言葉なんでしょう!

Se on aivan….se on kyllä.
ホント、素晴らしい。

Se on loistavaa, siis, tämmöineki tilanne että mies tulee yöllä kännissä kotiin. Vaimo on eteisessa vastassa vihaisena.
他にも、男性が夜中に完全に酔っぱらって帰ってきた時、玄関で奥さんが怒って

(3:22)
ノーニ―。

Eikö me sovittu että tänään sinä et juo mitään?
「今日は何も飲まないって約束じゃなかった?」

ノニーン。(そうだった。)

Siinäki syytös ja puolustus hoituu samalla sanalla, mahtavaa.
これ1つで攻めにも守りにも使えるという。

(3:39)
Miksi sinä joit tänään?
「何で飲んじゃったの?」

No, hän on ku kaveri, “oli sillee et otetaas”
「え、だって友達が一緒に飲もうって…だから…」

ノニーン!(いいよ!(って))

“Hölökyn kölökyn” voi olla no niin se on.
「ノニーン」って、「乾杯!」って意味でも使えるんですよ。

Mä oon ihan varma et kun silloinkin suomalainen pääsee epäkertaa elämässä harrastamaan seksiä, mutta silloin me yritetään että me ei vahingoissa sanota sitä ääneen,
それから、フィンランド人がセックスに関してそれを言葉に出さないようにって時、こんな感じなんですよ。

(3:59)
mutta ajatella kyllä että
こんな感じで考えてる。

ノニーン。(よし、行くぞ!)

Ja sit tule ennenaikainen siemensyöksy
それから「出ちゃった」時とか、

ノニーン?(あれ、もう?)

Se on niin hieno ku, ku mä aluks sanoin että no niin on suomen tärkein sana niin osa teistä saat olla vähän skeptinen.
僕が最初に「ノニーンが最も重要なフレーズだ」って言った時、何人かの人たちは疑ってたんじゃないですか?

(4:21)
Osa saatto ajatella vähän et ei voi kyllä olla, ei voi mitenkää olla,
「いや、そんなはずないだろ」とか思ってたでしょ?

mutta nyt loputki on sillee että
でもそんなあなたたちも、今となっては

no niin
ノニーン(そうだね)

onki.
ってなってますよね。

Se on kyllä hieno
いやぁ、ホント便利だ。
 【日本語訳ここまで】 

というわけで、非常に便利なフィンランド語

「ノニーン」

でした。

みなさんもフィンランドにお越しの際は、言葉に困ったらとりあえず

「ノニーン」

と言ってみてはいかがでしょうか?(^^)?

(ただしその結果何が起こってもその処理は自己責任でお願いしますw)

では、今回はこのへんで!

ノニーン!

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