Page 53:ネットで知り合った人に泊めてもらったトゥルク旅行記(後偏)

前回のトゥルク旅行記(前編)の続きです。

全部で約1万字の長文になってしまいましたので、前半後半の2部に分けています。

前半では主に今回僕を泊めてくれた現地のフィンランド人の友達について
後半では主に僕のトゥルクで過ごした日々やそこで感じた事などについて

書いています。

今回は残りの後半(コンテンツの赤字部分)です。

《コンテンツ》
・ヘルシンキ or トゥルク?
・語学サイトで知り合ったVille君
・現地の友達に泊めてもらう
・勉強熱心なVille君の部屋
・トゥルク観光
・現地の友達と飲み会
・フィンランド語をやっておいてよかった!

 

【トゥルク観光】

トゥルクに到着して一夜明け、ここから2日間は午前から昼過ぎぐらいまでVille君のガイドでトゥルク観光、夕方以降は地元トゥルクの他の友達も加わってディナーからの飲みコースとなりました。

まず最初に行ったのはサイクリング。トゥルクにはRuissalo(ルイッサロ)という島があり、サイクリングの目的地として人気の場所なのだそうです。

途中ビーチで止まって休憩したりしながら、自転車でGoGo!

近くにいたオバちゃんに、「写真撮ってもらってもいいですか?」とお願いして撮ってもらいました。強風の向かい風の中で自転車をこぎ続けたため髪が…

トゥルク城。

Ruissaloからシティの中心に戻ってくる時、Ville君が「おもしろいものを見せてあげる」と、とある場所に連れてってくれました。これから川を渡るのだけど、橋ではなく「あるもの」で渡るのだとか。

それはなんとマリオとかに出てきそうな

「動く足場」

でした。

足場がこっちに向かってきます。

足場に乗った所。これから向こう岸に向かいます。

もうすぐ向こう岸に着くぞー。

この「動く足場」、下がケーブルでつながっており、そのケーブルに沿って足場が動く仕組みになっているそうです。

この日は夕方6時からトゥルク在住の友人と合流→夕食→飲みに行くという予定。待ち合わせ場所はトゥルク図書館で、少し早めに着いたため、待ち合わせ時間が近づくまで図書館の中にいました。

さすが北欧。ユニークなデザインのものがそこら中にあります。

「おお、これもおもしろいデザインだ」と写真を撮ろうとしたら、「写るまい」とダッシュで逃げようとするVille君。1秒遅かったね(笑)

(※ブログ投稿前に写真掲載の確認は取ってます)

 

【現地の友達と飲み会】

今回のトゥルク旅行で、終日フリーな日が作れたのは2日間。その2日間のうちの1日目はフィンランド人と日本人の国際カップルと、2日目はVille君の高校時代からの友達と飲みに行きました。

飲み会なのでもちろん他愛もないおバカな話とかもするのですが、フィンランドやスウェーデンで現地の友達や現地人と結婚した日本人とお話してよく思うのは、政治とか社会問題とかのシリアスな話をしやすいという事です。別に「日本人はおバカな話しかせず、北欧人はシリアスな話をする傾向がある」みたいな統計データを取ったわけはないですが、少なくとも僕の皮膚感覚では北欧の人または北欧に住んでいる日本人の方がこういう話をしやすい感じがあります。1日目も2日目も、僕の方からそういう話題を積極的に振らなくても気が付いたら社会問題系の話になっていました。

これは僕の考えでは、おそらく北欧では穴埋めの暗記ではなく

「なぜ?を考える」

の部分に力を入れる教育が発達しているからだと思います。

この「なぜ?」の部分は、本当に納得がいく結論が出てくるまで考えたり話し合ったりし続けます。従って、本当は深く考えなきゃいけない問題があるのに長いものに巻かれて思考停止に陥るような事は起こりにくいです。

日本での思考停止の例を挙げると、例えば僕は高校時代陸上部だったのですが、この部活は非常に先輩後輩の上下関係が厳しい所でした。「1つ学年が下なら召使いも同然」という環境でしたので、先輩の命令はその内容がまともなものか理不尽なものかにかかわらず絶対服従でした。例えば試合の日だと普段の練習グランドではなく試合会場である陸上競技場に全員集合するのですが、その時に先輩が練習グランドのある部室になにか忘れ物をしていたら、取りに行かされるのは下級生です。

普通に考えれば、忘れ物をしたのはその先輩本人なのだから、その後始末をする責任はその先輩本人にあるため、取りに行くのも先輩本人であるはずです。でも実際に取りに行かされるのは当時下級生の僕でした。

僕はこういう事にすぐに納得できなかったので、1年生同士で集まっていた時に「こういうのっておかしいと思うんだ」と率直に思った事を言いました。すると、

「は?お前何言ってんの?先輩から言われた事なんだから言う事聞くのが普通だろ」

と、逆に僕の思考回路がおかしいのだと言われました。その「先輩から言われた事の内容」をロクに吟味もせずに「先輩から言われたから」というだけの理由で「パブロフの犬」の如く条件反射的になんでも従ってしまうのです。そこには「先輩のミスの責任を自分が被らなければいけない理由は何か?」を考えるというプロセスはありません。

本来であれば、相手が目上の人間であろうと、おかしなものに対しては疑問を投げかけるのは止めてはならないはずなのに、

「多少理不尽だとしても、自分が我慢すれば事を荒立てずに丸く収まるのだから」

となり、考える事を止めてしまう人が日本では学校の部活でも職場でも多いように思えます。だから立場が上の人間側からしてみたら搾取しやすいと。実際ブラック企業はそこら中にありますからねー。

フィンランドやスウェーデンなどの北欧で「なぜ?」を深く考える習慣が発達したのは、北欧が

「上下関係というものが非常に希薄で、誰もが対等な目線で話せる社会であるという事」
「長いものには巻かれろという文化が日本ほど一般的ではないという事」
「そのため、誰もが相手のご機嫌取りを最優先にせずに自分の考えを率直に述べられる風通しの良い環境になっている事」

などと無関係ではないと思いますし、こういう「誰もが対等な立場であり、中身の濃い議論がしやすい」という環境が北欧ではかなり整っていると思います。この点に関しては、また後日別の記事でもっと詳しく書きたいですね。

写真は友達との飲み会の帰り道。いやー綺麗だ。

 

【フィンランド語をやっておいてよかった!】

トゥルクのいろんな場所に訪れ、地元の友達とお店をはしごして飲み歩き(←とは言っても僕は2杯目からはソフトドリンク)、おバカな話も真面目な話もたくさんして、大いに楽しんだトゥルク旅行。最終日にはVille君と彼のお父さんが再び車に乗せてくれて、フェリーの港まで送ってくれました。

フェリーは往復で予約を取ってあったので、予約ナンバーを入力してチケットを印刷し、そのチケットとIDを窓口で見せればそれで乗船できる……はずだったのですが、ここでトラブル発生。窓口の人が「パスポートも見せてください」と言ってきたのです。

さてここで僕は困りました。僕はこの時パスポートを持っておらず、持っていたのはフィンランドの個人番号の記載されたIDカード(日本でいうマイナンバーカードみたいなもの)だけ。そもそも、本来パスポートというのは「国際移動」をする時に必要なものであり、同一国内での移動の時は必要ありません。僕が普段住んでいるオーランド諸島はフィンランドの一部であり、旅行で訪れたトゥルクだってフィンランドの一部です。フィンランドの領土からフィンランドの領土へ移動するのだからパスポートが必要であるはずがない、というのが僕の認識でした。

実際、オーランド諸島に住み始めたばかりの頃は心配だったので常にIDカードとパスポートの2つを持ち歩いていたのですが、銀行の用事とかでも必要だったのはIDカードだけであり、パスポートも一緒に見せようとするといつも「あ、いいですよ。フィンランド国内の生活では身分証明にはIDカード1枚あればそれで充分ですから」と逆に断られていたのです。
(※ただしスウェーデンに行く時は、もちろん同じフェリーでも必ずパスポートを持って行っていました)

んで、窓口の人に「あっちのスタッフと話してらっしゃい」みたいな事を言われそこへ向かうと、立っていたのは警備員みたいなオッサン。このオッサン、見るからに怒っているではありませんか。

フィンランド語でまくし立ててくるので、フィンランド語よりもスウェーデン語の方が得意な僕は「スウェーデン語では喋らないんですか?」と聞いてみたものの、

「否!」

と一蹴されました _| ̄|○

英語に切り替えようとする気配もなく、オッサンはそのままフィンランド語で

「いいか、このIDカードはな、パスポートの代わりじゃないんだぞ!ただの身分証明書だ!なぜパスポートを常に持ち歩かない?船に乗る時は必ずパスポートを持て!」

などと怒り続けます。

(ちなみにふと横を見ると、中国人らしき2~3人も同じように足止めを喰らっていました。その他の白人の乗客たちはパスポートは見せずにIDカードのみで普通に通ってました

んで、その後こんな感じのやり取りになりました。

オッサン:「オーランドには何をしにいく?」

僕:「何をしに行くっていうか、オーランドに住んでいるのでそこに帰るんです」

オッサン:「オーランドで何をしている?」

僕:「オーランド大学で学生してます」

オッサン:「何を勉強している?」

僕:「ITです」

オッサン:「だったらオーランド在住である事の証拠を見せろ。それができない限りここを通すわけにはいかない」

さて、オーランド在住を証明しなければオーランドに帰れないという状況になってしまった僕。とっさに思い浮かんだのがオーランド大学のホームページでした。ここには学生IDでログインできるページがあったので、僕の名前でログインする所と、さらに去年の夏からの1年分の授業の成績のページを見せたのです。するとようやくオッサンは渋々僕を通し、僕はなんとかオーランド行きのフェリーに乗る事ができたのでした。

それにしてもこのオッサン、英語は喋れんのかいな?普通は空港とか港とか観光スポットとか、いろんな国籍の人がたくさん集まる場所で働く人間は現地語だけでなくて英語も喋るのが当たり前だろ(フィンランドの場合はフィンランド語、英語、スウェーデン語の3か国語常備が普通)。

「英語ができない」とあれだけ言われてる日本ですら、最近では空港とか東京のカプセルホテルとか、海外の観光客がたくさん集まる所の従業員はみんな普通に英語喋るぞ。それなのにフィンランド語だけでまくし立てるこのオッサンは阿呆か?俺がフィンランド語を喋れない外国人だったらどうするつもりだったのか?

まぁそんなこんなで一応フェリーには乗れたものの、どうも納得がいかなかったので、メッセンジャーでVille君に事情を話した上で

「オーランド諸島とトゥルクってどっちもフィンランドじゃんね?移動するときにパスポート持ってないと違法になるの?さっきメッチャ怒られたんだけど」

とちょっと聞いてみました。すると、

Ville君:「うわー、それメッチャ変だね。うん、同一国内なら普通にパスポート無しで問題ないはず。でもさっき父さんにも聞いてみたら、トランプとかの影響で外国人排除の空気が強まってるから、その影響もあるんじゃないかと。でも最近はフィンランド国籍を持つ人にすらも、オーランド諸島に行くだけでもIDカードだけじゃなくパスポートも持つようにと呼び掛けてるらしいから、無用なトラブルを避けるという意味でも一応パスポートは常に持っておく方がいいのかもね」

との事でした。

うーん、とはいえ、もしオーランド ― トゥルク間のフェリーでの移動にパスポートもなきゃダメなのだとしたら、こっちに来る時にオーランド諸島を出発するトゥルク行きのフェリーに乗る時にパスポートを見せずにIDカードだけで通してもらえたのは何故だろう。。。

とりあえず、今回学んだ教訓は、

「フェリーでフィンランドの領土からフィンランドの領土に移動するだけでも、パスポートは携帯すべし」

という事でした。

みなさんもお気をつけくださーい。(←どれだけの人に当てはまるか知らんけど)

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