Page 39:「叱られ方研修」に待った!相手に合わせたコミュニケーション、取れてますか?

最近、ある1冊の本を読み終えました。この本は去年の10月あたりに僕がスーパーで買い物をしていた時、レジに並ぶ前に偶然見つけた本で、パラパラっと目次を見てみたらおもしろそうだったので急遽買ったものでした。

で、後で気づいたのですが、これ、どうやらスウェーデンやフィンランドのスウェーデン語圏でベストセラーになった本だったらしいです。

買ってから割とすぐに読み始めたのですが、この本は僕にとって第3言語であるスウェーデン語で書かれています。当然日本語や英語で読む時と比べてだいぶ読むスピードが遅く、1時間で10ページぐらいしか進めません。しかも大学での授業の方がかなり忙しくなってしまい毎日読む事はできなかったので、300ページほどあったこの本を全て読み終えたのはつい2~3日前の事でした。つまり読み終えるのに半年近くかかってしまったと^^;

んで、読み終わったので早速レビューを書きましょう、ってな感じなわけです。

 

≪コンテンツ≫
・本のタイトルと概要
・4色のタイプとその特徴
・色を決める2つの要素
・色の組み合わせ
・まとめ

 

【本のタイトルと概要】

まずタイトルですが、この本は

OMGIVEN AV IDIOTER

といいます。

スウェーデン語でOMGIVEN AV ~ は

「~に囲まれている」

という意味で、IDIOTERは元の形は英語で「バカ」を意味するIDIOTと同じで、ERをつけてIDIOTERにすると複数形となり、

「バカども」

という事になります。

つまり、この本のタイトルを日本語で言うと、

「バカどもに囲まれている」
「俺の周りはバカばっかりだ」

みたいな感じになるのでしょう。

何でこんなタイトルになったのかというと、この本の著者がとある企業家ととある会話をしていた時にOMGIVEN AV IDIOTERというセリフを聞いたのがきっかけなのだそうです。

著者は行動科学の分野の研究者らしく、どんな人がどんな時にどんな行動を取るのかや、それに対してどう対応すれば人間関係を円滑にできのかをよく知っている人物なのですが、先述の企業家の人は自分の職場に関して、

”Jag är omgiven av idioter!”
(俺の周りはバカばっかりなんだ!)

と嘆いていたのだそうです。

で、その企業家から詳細を具体的に聞いたり、職場で彼と普段一緒に仕事をしている人たちにも話を聞いてみると、どうやら彼の部下ではなく彼自身に問題があったようでした。職場にはいろんな異なる考え方を持つ人が混在するので、上司たるものそれぞれの部下に合わせたコミュニケーションの取り方をする技術が求められるのですが、この企業家の人がやっていたのは相手の個性を無視して自分の考え方をひたすら押し付ける、というものでした。

だから話が噛み合わずに物事がうまく進まずイライラがどんどん溜まっていき、それがさらに職場でのコミュニケーションに悪影響を及ぼすという悪循環に陥っていたのですが、この本の著者からしてみれば、

「こんなもの、実は改善するのは簡単。人の性格は大まかに分けて4つのタイプが存在するのだから、相手がどのタイプなのかを見極め、それに合わせた対応をするだけでかなり変わってくる」

との事。そして、

「この本を読んでいる皆さんは、この企業家のように『バカどもに囲まれている』などと考えてさらに悪循環に陥るような事にならないようにしましょうね~」

てな感じのセリフで序章を終えるのでした。

自分の考えを同僚や部下に押し付けてそれが上手く通らないとキレるという上司、やっぱり日本だけじゃなくスウェーデンにもいたんですね。

そして最近Yahoo Japanのニュースで、

「最近の新入社員は叱られる事に慣れていないから、社会人になる前にそういう事に慣れさせよう」という

『叱られ方研修』

とかいうのが出てきて、

逆に

「上司の方がアンガーマネージメント(怒りを上手にコントロールする事)を覚えろよ」
「上司の方が『指導の仕方研修』を受けろ」

などと反発を喰らっております。

この「新入社員を叱られる事に慣れさせよう」という発想は、

「上司が部下に対して叱ったら、正しいのは上司であり間違っているのは部下である」
「部下は上司に叱られないように、上司に合わせるべきである」

という前提に成り立っているものと思われ、

”Jag är omgiven av idioter!”
(俺の周りはバカばっかりなんだ!)

と嘆いていた例のスウェーデンの残念な企業家の発想と通ずるものがある気がします。

いかなる状況でも上司が部下を絶対に叱ってはいけないというわけではありませんが、やむを得ず叱る場合にしても、こういったタイプ別を理解した上でやっているかどうかでだいぶ変わってくるはずです。あいにくこの本はスウェーデン語だし、日本では知られていないようなので、今回このブログで概要だけでもシェアしちゃいます。

 

【4色のタイプとその特徴】

この本では、人間の性格を「青」、「赤」、「緑」、「黄色」の4色に分けています。そして、それぞれの色の主な特徴は以下のようになります。(5項目ずつあるが、もちろんこれら以外にも各色の特徴は存在する)

「ネガティブ」と書かれている列と、「ポジティブ」と書かれている列にそれぞれ5つの項目が書かれていますが、隣り合う項目は基本的に同じ事で、解釈次第でネガティブにもポジティブにもなりえます。

例えば、青の人はネガティブな欄に「優柔不断」とありますが、これは裏を返してポジティブな見方をすれば「思慮深い」という事でもあります。黄色の人も「我が強い」というのがありますが、見方を変えれば「エネルギッシュ」とも言えます。

この本の概要からすると、人間関係が上手くいかない要因は次の2つです

[1] 自分の色と相手の色が違うのに、自分の色の行動パターンを相手に押し付ける
[2] 相手の持つ要素をネガティブにとらえ、それをネタに責める(例えば緑の人は相手に「敬意を払っている」だけのつもりなのに、それを「自信のない奴」などとみなして見下すなど)

つまり人間関係のイザコザは、大抵の場合は上記の[1]と[2]をやらないように気を付けるだけで防げる可能性がグンと上がるのです。

 

【色を決める2つの要素】

4つの色分けは下の図のように縦横2つの軸によって決まります。

横の軸は性格が「外向的か内向的か」
縦の軸は「人間関係を重視するかタスクを重視するか」

を表しています。

縦の軸をもう少し説明しますが、これは「人生において何を重要視しているか?」という事です。例えば青や赤の人はタスク重視のため、友達と遊んだり恋人と過ごしたりするよりも自己実現系(スポーツの大会で優勝する、仕事で成果をあげる等)のものに充実感を覚える傾向があります。逆に、黄色や緑の人は人間関係を重要視するため、お金をたくさん稼いだり、何かを達成して名誉を手に入れたりするよりも、仲の良い人と楽しい時間を過ごす事の方が幸せである傾向にあります。

青と緑
赤と黄色

のように、縦に隣り合っている者同士は基本的に相性がいいです。人生の過ごし方のスピード感やゆったり感がほぼ同じで、片方がもう片方をせかして揉めたりする可能性が低いからです。

青と赤
緑と黄色

のように、横に隣り合っている者同士は特に仕事などにおいて相互に補完関係になりやすいです。例えば赤は決断力やスピードがあり、青は落ち着いてじっくり考えられるタイプ。どちらか片方だけだとよく考えずに突っ走ってしまったり、いつまでも考えて決断がつかないなんて事にもなるかもしれませんが、両方が揃えばお互いの良い所のみを組み合わせていいチームになる事ができます。緑と黄色のコミュニケーションにしても、時には明るく引っ張る事が必要な事もあれば、落ち着いてゆっくり話をする方がいい場合もあるため、両方いればどちらのパターンにも対応しやすくなります。

青と黄色
赤と緑

の組み合わせは一般に相性が悪いと言われています。縦軸と横軸のどちらにおいても共通点がなく、意見が合いにくいからです。いくらやっても平行線のままの喧嘩を繰り返してしまうのは、その2人がこの斜めの組み合わせである場合が少なくありません。

 

【色の組み合わせ】

人の性格のタイプは4色ありますが、1色の特徴のみしか当てはまらないのは全人口の5%ほどだそうです。

例えば現アメリカ大統領のトランプとかはまさに「赤一色」の人でしょうねー。

・深く考えずにとにかく決断・行動(←その行動が良いか悪いかはじっくり考えない)
・ビジネス、取引が大好き(←「金が儲かる」とか、「〇〇の実績をあげた」とかいう事に異様に喜びを感じる。逆に人間関係を大事にするとかなさそう)
・短気であり、我慢というものができない(←基本的に赤と黄色の方が気が短く、青と緑は気が長い)

うむ、。これでもかというほどに。ついでにネクタイも(←それは共和党だから)。たしかにここまで極端な人、5%以下しかいないでしょうねー。

1色の特性しか持たない人が全体の5%と非常に少数しかいないのに対し、マジョリティーの80%ぐらいは2色を組み合わせたような性格をしており、大抵の場合その2色の内のどちらかの要素が強めに出る事が多いそうです。(少し赤の入った青とか)

例えば、青のように普段は思慮深くとも、時には赤のようにズバッと決断する事のできる、青と赤の要素を持ち合わせた人もいますし、状況によっては黄色のようにはしゃいだり緑のように大人しめになったりする、黄色と緑の要素を併せ持つ人もいます。

2色の特性を持っている人は、大抵は

青と赤
青と緑
赤と黄色
緑と黄色

のように、縦か横に隣り合っている色同士の組み合わせが多いですが、

青と黄色
赤と緑

のように、相反する斜めの2色の特性を併せ持っている人も存在するそうです。ただし、この本の著者によると、この斜めの組み合わせでは青と黄色の組み合わせがけっこういるのに対し、赤と緑の組み合わせはほとんど見た事がないそうです。

3色の組み合わせを持つ人は15%ほど存在し、4色全てを併せ持つ人の存在はまだ確認されていないそうです。

 

【まとめ】

この本の概要をさらにまとめると、人間関係を良好に保つためには、多くの場合、相手が何色と何色を持ち、そのうちのどの特性が強めに出ているかを把握する事がまず重要です。そして相手の色を把握したら、その特性と逆の行動を押し付けない事です。

例えば、のんびりしていて大人しく、人間関係が良好であれば幸せな緑の人は、

「何をモタモタやっている?もっと速くアグレッシブに動け!勝ちたくないのか?金を稼ぎたくはないのか?」

などと、赤の行動様式を押し付けられると非常に強いストレスを覚えます。

逆に、赤の人に上記のようなセリフを投げかけるのは、やる気と成果を出させる良いきっかけになるかもしれません。

同じセリフを同じように投げかけても、感じ方は人それぞれ。異なる人の異なる特性を把握し、それに対応した働きかけをする事が円滑なコミュニケーションの鍵となるのです。

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