海外渡航の準備における心得(お金の移動編)

前回に引き続き、僕のフィンランド留学の準備の際の記憶をもとにした、海外渡航準備に関する記事、第3弾です。

僕が挙げた4つのフォーカス

[1] 在留許可の申請
[2] 現地での住居の手配
[3] お金の移動の準備
[4] 日本から現地の目的地までの経路の確認

のうち、今回は[3]のお金の移動の準備について書きます。

海外での長期滞在において、お金の移動の準備は非常に重要ですね。特に学生として行く場合は現地で稼いで取り返すという事は非常に難しいでしょうから、貯金を切り崩していく事になると思います。そうなると、もし「現地で開いた銀行口座に日本で用意したお金が入れられない!」とか「お金/カードを取られちゃって/なくしちゃって、今手持ちで使えるお金がない」みたいな事態になったら、手元に引き出せるお金がなくなり致命傷になりかねません。

僕の場合は、お金の移動の方法を何種類かに分ける事によってリスクを軽減する事にしました。もし万が一どれかがダメになっても他の残りの方法でお金を使える状態を保つためです。以下がその種類分けになります。


ではそれぞれ1つずつ見ていきましょう。

百万円単位のお金の移動

まず、[A]の百万円単位のお金の移動は、もちろん銀行送金で行いました。銀行送金となると現地での銀行口座も必要になってきますから、事前に確認しておきたかった事が2つありました。

・1つは、フィンランドでの銀行口座の開設はフィンランド入国より前の時点でできるのか、という事。

・もう1つは、自分がフィンランドに移動した後でもボタン1つでインターネットで日本の口座からフィンランドの口座にお金を移動させる環境の設定は出国前に作れるのかどうか、という事。

1つ目に関しては、以前オーストラリアにワーキングホリデーに行った時にオーストラリアの銀行口座を日本を出る前の時点でネットで開設できてしまっていたので、フィンランドでもできるかな~と思っていたのですが、念のため確認してみるとフィンランドでは入国した後に銀行に行って面談をしてからでなければ口座を作る事ができないという事がわかりました。

(※後日別の記事でもう少し書く予定ですが、面談に加えてフィンランドの個人番号(日本でいうマイナンバー)も必須で、オンラインバンキングをできるようにする為にはフィンランドでの居住者登録の証明書も必要になってきます)

そこで僕が口座を作ろうと思っていたオーランド銀行にメールして、オーランド到着日の翌日には早速面談をできるようにとお願いしておきました。

2つ目のオンラインバンキングについては、けっこう前もって何度も日本の銀行(僕の場合UFJ銀行)に確認しに行きました。これもアパート探し同様、大学からの合格通知がもらえる6月下旬よりもだいぶ前の4月の時点で見切り発車していました。

というのも、銀行に直接出向くのってそうしょっちゅうできないからです。平日の昼間とかに行くことになりますから、普段日中仕事している人は有給休暇を利用して行く事になると思います。

僕が当時勤めていた職場は幸いにも有給休暇を取りやすい所で、上司や同僚は既に僕の北欧留学の事情を知っており応援もしてくれていた事、それに加えて「権利が消滅しちゃわない内にこまめに有給休暇も消化しておいてくださいな」と有給消化の催促までしてもらえていたので、銀行に出向く時間の確保には特に困りませんでした。

さてここで明らかになったのは、(少なくとも僕が問い合わせをした2017年4月ごろの時点では)日本国外に住んでいる人が日本のUFJ銀行から海外の銀行口座にオンラインで送金するためには、その海外の銀行口座を日本を出国する前の段階で登録しておかなければいけないとの事。

こうなると、入国後でなければ作る事のできないフィンランドの銀行口座を事前に日本の銀行で登録しておく事は不可能です。フィンランドに入国しちゃって、後で家族に日本からの送金を頼む事になるのかと思いきや、僕の場合はちょっとした抜け道がありました。

それはUFJ銀行に印鑑とかを持って直接出向かなければ登録できない海外の銀行口座は最初の1つ目だけであり、2つ目以降は日本国外にいても自分で勝手にネット上で登録できる、というものでした。

僕はオーストラリアの銀行口座も持っていたので、日本にいる間にその口座をUFJに登録しておけば、フィンランドで作る銀行口座は「2つ目の海外口座」としてカウントされるのでネット上だけで登録できる、という仕組みです。

僕の場合、オーストラリアのワーキングホリデー時代に1年間ガッツリ働いて稼いだお金をあまり使わずにオーストラリアの銀行口座に貯めこんでいたので、これでフィンランドで新しく作る銀行口座への海外送金のルートは日本の口座からとオーストラリアの口座からの2通りを確保できていた事になります。


十万円単位のお金の移動

[B]の十万円単位のお金の移動は、国際キャッシュカードを利用する事にしました。国際キャッシュカードとは、海外のATMからでも現地通貨でお金を引き出せるカードで、そのお金は日本の口座から引き落とされる仕組みになっています。

僕の友人の中に長期で海外を何か国も旅した事のある人がいたので、その人に聞いてみたら下記のリンクを紹介されました。
国際キャッシュカード(海外プリペイドカード)の銀行比較

僕は国際キャッシュカードとリンクする日本の口座をUFJの口座とは別に作っておきましたので、例えば30万円までしか入れておかなければ、もし万が一海外でカードをなくしたり取られたりしてお金が返ってこなかったとしても、最大の被害額は30万円までで抑える事ができます。もちろん20万円しか入れておかなければカード紛失によって20万円以上の被害が出る事はありません。


数万円単位のお金の移動

[C]の数万円単位のお金の移動は、普通に現金で持っていきました。「数万円単位」と書きましたが、実際には十数万円ぐらいは現金で持っていきました。その現金も、普通のポケットの財布と、薄くてシャツの下にも隠せるぐらいのウエストポーチにもう1つの財布の忍ばせ、2か所に分けていました。

カードももちろん持っていましたが、やはり何かの拍子にカードが使えなくなる可能性もないわけではありません。例えば、ATMでお金を引き出そうとしたらカードがATMの機械に吸い込まれたまま戻ってこず、何の対応もしてもらえないという事も場所によってはあるかもしれません。(実際そういう被害に遭う人、たまにいるらしいです)もしカードが使えなくなってしまって残りの手持ちの現金が2万円とかだったら、海外の長期滞在では相当困ってしまう事でしょう。

ちなみに、現地通貨への両替は日本の空港で早々に済ませておくとよいと思います。僕の経験上は現地に行ってから両替しても為替レートがよくなる感じはしませんでしたし、忘れないうちに現地で使える現金を手元に確保しておくのが安心だと思うのです。

海外の滞在をスタートする際のお金の移動の注意点を一言でおさらいすると、「1つの手段がダメになったとしても他の方法で現地でお金を使えるように、バックアップを用意しておくとよい」となると思います。海外でお金がなくなると本当に怖いので、セーフティネットはしっかり張っておきましょう。


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